東映は、山根明会長をスカウトすべきだろう
山根明日本ボクシング連盟会長ほど、東映実録ヤクザ映画の主人公に相応しい役者はいない。 その服装、サングラス、白いマフラーの姿、革張り椅子、不正行為の数々など、まるで昔のヤクザ映画の人物である。 ああした人間の姿は、映画の中でのものと思っていたが、本当に実在するとは本当に驚くしかない。...
View Article『マイムマイム』はイスラエル民謡
昨日は暑いので、家で録画したテレビ番組を見る。東大での女優菊川怜が、家庭教師を演じるドラマで、市原悦子がさんざやった「家政婦は見た」の若手女優版だなと思う。 異常な富豪の家の娘を担当するが、それが少女タレントでもあって、ショーで踊りを見せる。振付家が、深沢敦とは懐かしい。 その少女たちが踊る曲が、『マイムマイム』なのだ。...
View Article『ワンダーランド北朝鮮』
どのような経緯で、北朝鮮に入り映画化することになったのかは、不明だが、韓国の女性監督がドイツでビザを取得し北朝鮮に入国する。 初めは、平壌のスポーツ施設の職員とその家の取材で、普通の人の姿だろう。家は、家具は少ないが普通で、テレビ等があり、意外に豊かだなと思う。 だが、農村に行くと凄い。ほとんど前近代の社会なのだが、逆に完全なリサイクル社会で、これの方が良いのではとさえ思えてくる。...
View Article『南海の花束』の飛行場の場所は
日本の航空映画の傑作で阿部豊監督の東宝映画で『南海の花束』がある。これは南方空路を開く航空会社の男たちの苦闘を描く映画で、円谷英二の特撮も見られる。 この中で、飛行艇が離着陸する海は、横浜の根岸湾であり、その陸上には格納庫等の施設も少し見える。言うまでもなく、防諜の観点から全体を映していないのだが、そこは根岸の飛行場であったことは間違いない。...
View Article『再会』
1975年に松竹から公開された斎藤耕一監督作品。斎藤は、元は映画のスチールカメラマンで、ジャズマニアでもあったので、映像と音楽は素晴らしいが、ドラマは弱い。一番成功したのは『約束』と『旅の重さ』だろうか、『津軽じょんがら節』は、私はあまり良いとは思えない。 さて、これは歌手の野口五郎と江波杏子の共演で、池部良が江波の恋人として出てくる。...
View Article晩年の橋本忍作品
100歳で、橋本忍が亡くなられた。戦後の日本映画で多数の優れた作品を書いたことは評価できる。 私が好きなのは、岡本喜八が監督した『侍』であり、これは他の『サムライ・ニッポン』に比べて非常に優れた作品になっている。 また、同時期の『悪の紋章』も面白い映画だが、どちらでも善玉側が、悪に勝つには、こちらも悪くならなければならないと言っていることは非常に興味深いと思う。...
View Article最初は増村保造が監督だった
用があって昔の『映画芸術』を読んでいたら、1986年11月に亡くなった増村のことを彼の助監督もやった井上芳夫が語っていて、篠田昌浩が監督することになった1972年の『札幌オリンピック』映画は、当初は増村だったのだそうだ。増村とプロデューサーの藤井浩明も、それを機に増村を世界へと飛躍させるつもりだった。...
View Article『さくら家の人びと』
さくらももこが亡くなり、ちびまる子ちゃんについては多く書かれているが、NHKで放送されたドラマについてはほとんど書かれていないので、ここに書いておく。 1992年の正月に放送されたドラマで、富田靖子がさくらももこを演じた。 なぜ、これを憶えているかと言えば、正月に当時4歳だった長女と家で二人だけで見たからだ。...
View Articleリリアン・ヘルマンについて
いかにもよくできた「善と悪の構図」だが、本当にそうあろうか。「18歳の少女だから嘘は言わない」というのは単純すぎる。 そのことを教えてくれるのは、映画『噂の二人』の原作である、リリアン・ヘルマンの戯曲『子供の時間』である。 headlines.yahoo.co.jp 「コーチとの関係を切れ」発言 塚原光男副会長「暴力でしか指導できない指導者は不適格と考え…」(スポニチアネックス) -…...
View Article台風の映画
台風21号は、神戸など、関西の地方を襲い、まるで特撮映画のシーンのように車が飛び、ビルの壁などが壊れるのには本当に驚く。 日本は台風など自然災害の多い国なので、映画でも多く作られている。...
View Articleプロレタリア作家としての黒澤明
黒澤明を一言でいったら、プロレタリア作家となるに違いない。時代劇以外の彼の映画はプロレタリア作家映画というべきだろう。 黒澤の甥に島敏光がいて、何も知らない彼は、『影武者』の頃の黒澤の絵を見て驚き、黒澤久雄に「こんなに絵が上手いのに、おじさんはなぜ画家にならなかったの?」と無知な問いをしたそうだ。その時、黒澤久雄は、「親父は家が貧乏だったからだ」と答えたそうだ。...
View Article伊丹十三は、なぜドラマ的な映画に移行してしまったのか
先日のドキュメンタリードラマ研究会の時、今野勉先生に、『遠くへ行きたい』や『天皇の世紀』で、非ドラマ的なテレビ番組を作っていた伊丹が、『お葬式』以後、なぜ普通の普通のドラマ創りになってしまったのか、直接お聞きした。 すると、伊丹はテレビの番組をやっていたが、彼はやはり父親のこと(伊丹万作)から、いつかは映画を作りたいと思っていた。...
View Articleトラックの上のピアニスト 『ブランキ殺し・上海の春』
昨日見た、ジャック・ニコルソン主演の映画『ファイブ・イージー・ピーセス』で、石油採掘の労働者のニコルソンは、高速道路上で引っ越しトラックにあったピアノを見ると乗って、いきなりそこで非常に上手く弾きだす。 彼は、元はクラシックのピアニストだったのだ。 トラックの上で弾いたピアニストと言えば、故林光である。...
View Article製作は松崎啓治だった 『激怒する牡牛』
松崎啓治氏の劇映画の製作作品は以下のとおりである。 1938.08.23 北京 東宝映画 1939.01.25 戦友の歌 東宝映画 1939.02.08 揚子江艦隊 東宝映画 1939.03._ 戦ふ兵隊 東宝映画文化映画部 1942.02.04 青春の気流 東宝映画 1942._._ 珠江 芸術映画=中華電影公司 1943.01.14 阿片戦争 東宝映画 1943.03.25...
View Articleカネの片道切符
平尾昌晃の遺産を巡って、三男と義理の母が争っているとワイドショーで報じられている。 もちろん、どちらが正しいのか、分からない。50億円とは少ない気もするが。 平尾の出演映画で、篠田昌浩の監督デビュー映画に『恋の片道切符』がある。...
View Article『冒険者たち』
昼に食事に出て戻ると、BSで『冒険者たち』をやっているので、つい最後まで見てしまう。 1960年代、映画好きの若者たちに絶大な人気のあった作品で、男2人・女1人の構図の典型である。 大人が遊んでいるところが楽しく、現実は到底こうはいかないが、憧れである。 アラン・ドロンが汚い顔で出てくるのも良いし、リノ・バンチュラはさらに良い。...
View Article『明日に向かって撃て』の続編は『ワイルド・バンチ』
1960年代には、『冒険者たち』のような、男2人・女1人の映画が多数あった。『俺たちに明日はない』『明日に向かって撃て』などだが、その元はフランソワ・トリフォーの映画『突然、炎のごとく』である。 その『明日に向かって撃て』は、アメリカで最初に列車強盗をしたという、ブッチ・キャシディーとサンダンス・キッドが統領だった「壁の穴強盗団」だが、これの続編が『ワイルド・バンチ』なのである。...
View Article『用心棒』
日曜日の午後は、台風で外に出られないので、映画『用心棒』を見る。 娯楽映画として圧倒的に面白い。だが、これは黒澤明映画ではなく、菊島隆三映画であることを再確認する。 全体を覆う暴力性は、黒澤の世界ではなく、菊島のものである。...
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