昨日見た、ジャック・ニコルソン主演の映画『ファイブ・イージー・ピーセス』で、石油採掘の労働者のニコルソンは、高速道路上で引っ越しトラックにあったピアノを見ると乗って、いきなりそこで非常に上手く弾きだす。
彼は、元はクラシックのピアニストだったのだ。
トラックの上で弾いたピアニストと言えば、故林光である。
1979年に、東映大泉撮影所特設テントで行われた佐藤信作・演出の『ブランキ殺し・上海の春』だった。
『阿部定の犬』『キネマと探偵』と面白かったが長く新作を作れず、やっと上演された『ブランキ殺し・上海の春』は、正直に言って全く面白くないものだった。
だが、チャイナドレスを着てトラックの上でピアノを弾いた林光の演奏は大変に素晴らしかった。
その林光も、2012年に死んでしまった。