いかにもよくできた「善と悪の構図」だが、本当にそうあろうか。
「18歳の少女だから嘘は言わない」というのは単純すぎる。
そのことを教えてくれるのは、映画『噂の二人』の原作である、リリアン・ヘルマンの戯曲『子供の時間』である。
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オードリーヘップバーン主演の『噂の二人』と『子供の時間』は、なかなか興味深い作品である。これはジョアン・ウッドワードと二人で寄宿制の学校をやっているが、生徒の嘘で「二人はレスビアンだ」と言われて、学校は閉鎖され、ウッドワードは最後は自殺する。だが、その前に彼女はヘップバーンに対して「昔から好きだった」と告白するのだ。
そのリリアン・ヘルマンの自伝の映画化の『ジュリア』で、主人公のヘルマンとジュリアは、同じベッドで寝るなど、ヘルマンの性向を描いて、彼女にはもともとそうした傾向があったことが理解できる。