平尾昌晃の遺産を巡って、三男と義理の母が争っているとワイドショーで報じられている。
もちろん、どちらが正しいのか、分からない。50億円とは少ない気もするが。
平尾の出演映画で、篠田昌浩の監督デビュー映画に『恋の片道切符』がある。
これは、ニール・セダカのヒット曲を題材としたものだが、テーマとしては、日本のポピュラー音楽界でのジャズからロックへの移行を描いたものだった。そして、この映画のチーフ助監督は山田洋次で、彼が作った予告編は結構面白いもので、互いに傷付けあう若者同士という山田らしい作品の把握の仕方だった。
この映画で、落ち目になるジャズメンが小坂一也で、売れてゆくロック歌手は平尾昌晃である。
最後は、小坂が、偶然に手にした拳銃で、ステージ上の平尾を狙うが、周囲のファンによって押しつぶされて逮捕されてしまう。
小坂も平尾も、当時大の人気の歌手だったが、どちらも共通したところがある。
それは、二人とも比較的良い家の生まれであり、平尾は、現代音楽の作曲家平尾貴志男の甥である。
また、小坂の家も、裕福だったと記憶している。
『恋の片道切符』ならぬ、カネの片道切符とは皮肉なものである。