『狼をさがして』
これについては、書くのをためらわせるものがあるが、横浜シネマリンに意外にも多くの人が入っていたように興味のある人が多いらしいので、書く。狼と言って、すぐに分るのは、70代以上の人だろう。1970年代初頭、三菱重工ビル爆破事件などの爆弾テロ事件を起こした、東アジア反日武装戦線のことである。この事件が起き、詳細が報じられた時、私は、次の三つで違和を持った。1...
View Article『日本ニュース177号』
朝起きてテレビを見ても、コロナ禍のニュースばかりでつまらないので、ユーチューブで、昔の『日本ニュース』を見ている。この日本ニュースで一番有名で、テレビ等での使用回数が多いのは、1943年10月の177号である。...
View Article『兵隊やくざ』
この1965年の『兵隊やくざ』を高く評価したのは、「映画芸術」編集長小川徹で、私も早稲田映研がやった大隈講堂での映画会で聞いた。1966年11月1日で、この日は大島渚の『飼育』、深作欣二の『誇り高き挑戦』、吉田喜重の『秋津温泉』、『893愚連隊』が上映されたが、この選定は部長の梶間俊一さんと3年の曽根益男さんだったと思う。梶間さんは、今テレビで『おかしな刑事』シリーズの監督である。...
View Article非常に日本に甘かったのに 「リットン報告書」
先週の「『昭和天皇実録』が解き明かす昭和史の謎』は、満州事変に対しての国際連盟の調査とリットン報告書だった。リットン卿は、元々はイギリスのインド提督の息子で、インド生まれで、植民地行政に通じていた人だった。他に、フランス、イタリア、ドイツ、アメリカの代表がいて、さらに当事者の日本と中国が入っていた。...
View Article母について
私は、原則として家族と食物については書かないことにしている。どちらも、本人以外に興味がないからだ。よく、年賀状に家族や子供の写真を載せてくる方がおられるが、私は一度もしたことがない。他人の家族や子供など、私には関係がないからだ。...
View Article『荒野の七人』
言うまでもなく黒澤明監督の『七人の侍』を基にした西部劇で、メキシコの村に舞台はかえられている。監督は、ジョン・スタージェス、非常に上手く登場人物やエピソードを使っている。...
View Articleカッコよく勝とうとしているので、駄目 横浜ベイスターズ
横浜市南区には、横浜ベイスターズびいいきの飲食店があり、そこでは阪神ファンだとは言えない。そして、そうした店で、面白いのは、ラミレス前監督の評判が悪いのだった。私は、ラミレスはいつもAクラスになっていて、中畑などより上だと思っているが、ラミレスの評判は非常に悪かった。だが、三浦監督に代わって、成績は散々なので、今はラミレスの良さが見直されていると思う。...
View Article平井英子、死去
平井英子、死去 104歳。2011年11月に、岡田則夫さんと、90年間のレコードのイベントを栄図書館でやった。その時、岡田さんから「平井英子さんは、まだご存命なはずです」と聞いた。平井英子って誰と思うでしょうが、聞いたことのない人はいない。『雨降りお月さん』などの童謡は、ほとんどこの人の歌なのだ。...
View Article梓英子が出ていた 『大忠臣蔵』
先週、三船敏郎の『大忠臣蔵』を見ていたら、梓英子が出てきた。大友柳太郎の娘で、浪士の一人中山仁の恋人になってしまう役だった。梓英子と言って、もう知る人も少ないだろう。彼女は、大映等のメジャーな映画に出る前に、ピンク映画に出ていたことがあった。 1964.05.26 青い乳房の埋葬 新東宝映画1964.09.02 渇いた唇 小森プロ1964.10.27 日本拷問刑罰史...
View Article『浪人街』
「時代劇復興」の掛け声の流れで作られた作品、その中心はマキノ雅弘で、サイレント時代の自身の名作をリメイクしたもの、監督は黒木和雄。主演は、勝新太郎で、原田芳雄、石橋蓮司、田中邦衛、樋口可南子らの豪華キャスト。話は、街外れのぼろ長屋に住む浪人が、旗本たちと大殺陣を演じるというもの。このほとんど崩れかかったボロ長屋のセットはいい。...
View Article龍岡晋が果たした役割は
先日の原節子の映画『風ふたたび』で、兄を演じていたのは、文学座の龍岡晋だった。この人を映画で見たのは、これの他、篠田正浩監督の『化石の森』くらいしかないが、日本演劇史に残る重要な役を演じたことがある。彼が、商業高校を出て証券会社にいたこともあったのだと思うが、文学座は始めから株式会社で、座員はみな株を持っていた。...
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