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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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『荒野の七人』

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言うまでもなく黒澤明監督の『七人の侍』を基にした西部劇で、メキシコの村に舞台はかえられている。監督は、ジョン・スタージェス、非常に上手く登場人物やエピソードを使っている。
         志村喬の勘兵衛は、ユル・ブリンナーで、彼が残りの6人のガンマンを探すが、チャールス・ブロンソンが、薪割りをしているなど、千秋実とまったく同じで笑ってしまう。関係ないが、この千秋実がやった役は、はじめは古川ロッパに行った役だった。
これを見て、あらためて感心するのは、アメリカの物事を徹底的に分析して新たなものを作る姿勢である。それは、戦時中にアリューシャンで捕獲した「零戦」を完全に分析して、その短所・長所を考慮して「グラマン」の戦闘機を作ったのと同じだろう。
ただし、最後は違っている。映画『七人の侍』では、豪雨の中での戦闘だが、雨のない西部劇なので仕方ない。最初の戦闘であらかたを殺した7人が、残りの悪人たちを探しに行き悪党の巣に行くと、そこいには誰もいず、村に戻ると悪人たちが村を占拠していて、そこで7人も銃を取り上げられて武装解除されてしまう。悲嘆にくれて村から出て野営していると、夜に村人が来て、銃を持ってくる。今度は、慎重に戦い、ついに悪人たちを全員殺す。7人は、村を去って行くが、一番若い男ホルスト・ブッフォルツ(三船敏郎と木村功を合わせた役になっている)は、恋した村娘のところに残ることにする。この辺は、『七人の侍』の、まだ武士と農民という身分差別が合った日本とアメリカ大陸との違いだろう。NHKBS


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