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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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龍岡晋が果たした役割は

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先日の原節子の映画『風ふたたび』で、兄を演じていたのは、文学座の龍岡晋だった。この人を映画で見たのは、これの他、篠田正浩監督の『化石の森』くらいしかないが、日本演劇史に残る重要な役を演じたことがある。彼が、商業高校を出て証券会社にいたこともあったのだと思うが、文学座は始めから株式会社で、座員はみな株を持っていた。
            
そして、1963年の福田恆存、芥川比呂志らの脱退の時、龍岡は株式数を数えた。残留組と脱退組の総株数を合計し、残留組が上回った時、彼は言った。「勝った!」と。これで、福田らは、文学座を出て劇団雲を作ることになり、文学座は杉村春子劇団として再出発したのだ。このとき、出ていった連中の株は、いくらで買い戻しただろうか。多分、昔のことなので、額面通りだと思う。
近年、このような非上場株の評価が問題になっている。中小企業等で、相続が行われ、その時故人が持っていた非上場株の評価が問題になる。昔は、額面で評価していたようだが、最近税務署は、時価評価をすることが多いようだ。中小企業の継承も難しくなっている。


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