『疑惑』
テレビ朝日開局60年記念で、『疑惑』が放映された。 夫中村梅雀殺しの容疑者の若妻は黒木華、弁護士だが「悪徳」と言われているのは米倉涼子、そして冷酷な女性検事が余喜美子。 元の、1982年は、桃井かおりと岩下志麻で、検事役は男だったと記憶している。 女3人の怒鳴り愛の劇だが、黒木華の独壇場で、ほとんど一人芝居のよう。 最後、殺人事件ではなく、梅雀の自殺事件であることが分かって無罪となる。...
View Article『遠すぎた橋』
1977年に公開された戦争映画の大作。 1944年に米英連合軍でドイツに対して実施されたマーケットガーデン作戦を描く。 ショーン・コネリー、ジーン・ハックマン、ロバート・レッドフォード、ダーク・ボガード、エリオット・グールドなどの大スターが出るが、製作は独立製作者のジョセフ・E・レビンと言うところが凄い。...
View Article紀元節と言えば 『のりちゃんの喜劇教室』
明日は、建国記念日、元の紀元節である。 紀元節と言って思い出すのは、三木のり平の『のりちゃんの喜劇教室』である。 土曜日の8時半ごろにNTVから放送されていて、のり平とコンビの有島一郎がレギュラーで、毎回異なる設定の喜劇で、私は好きな番組だった。 その日は、紀元節の日で、南方の孤島に元日本兵が二人いて、三木のり平と有島一郎である。 そして、南島から宮城に向かって遥拝し、紀元節の歌を歌う、...
View Article『ゴメスの名はゴメス』
長い間見たいと思っていて機会がなかなかなく、やっと見るとガッカリと言う作品は結構多いが、これもそれに属する映画。 中東で石油開発をしていたという技師の仲代達矢が帰国する途中に香港に寄って学生時代の友人平幹二郎に会うが、すぐに姿を消してしまう。...
View Article『荒野のダッチワイフ』
1967年に国映から公開された大和屋竺監督作品。 大和屋らしく、殺し屋の話で、港雄一と山本昌平、津崎公平らで、さらに麿赤児らも出ているようだが、どの役かよくわからない。 明確に分かるのは医者の山谷初男で、この人は当時と変わっていない。 実は、大和屋さんの最初の作品『裏切りの季節』は、本当なら見る機会があった。それは早稲田大学映画研究会の部長曽根益男さんからで、...
View Article廣澤栄氏は・・・
元東宝の脚本家、助監督の廣澤栄氏の長男廣澤厚氏が、廣澤栄氏の資料を小田原市図書館に寄付したそうだ。 廣澤氏は、小田原の生まれで、横浜市神奈川区の神奈川県立工業高校図案科に入る。 卒業後は大好きだった映画の道へ行こうとのことで、小田原で喫茶店をやっていた実家に、あるウエイトレスを目当てでよくやって来る小田原東宝の支配人の世話で東宝砧撮影所に入ることになる。 入社して撮影のとき、製作の担当者から...
View Article佐藤純彌、死去86歳
映画監督の佐藤純彌が亡くなられたそうだ。 この人の作品は、まじめだがテンポがのろく、私はあまり好きではなかった。 ただ、『新幹線大爆破』だけは、大傑作だったと思う。見逃したので、反町にあった反町東映で見たが、非常に面白いので驚いたのだ。これ1本だけでも、日本映画史に残ると思う。ご冥福をお祈りしたい。 headlines.yahoo.co.jp 佐藤純彌監督を悼む...
View Article『愛奴』 芸術エロとしてもまったくダメ
なんでこんなのを作ったのか、と思う作品。 元は、栗田勇原作の芝居で、ここに出た早大生金沢優子は、「女子大生が裸になった・・・」とのことで話題になり、私も週刊誌のグラビアで見た。1966年頃は、現役女子大生ヌードはまだ珍しかったのだ。後の黒木香とは時代が違う。...
View Article独立プロデューサーたち
昨日書いた映画『愛奴』のような変な作品ができた背景は、製作の篠ノ井公平という人だと思う。 どこかで、「インチキ・プロデューサーの一人」と書いてあるのを見たことがあるが、要は独立製作者だったのだろう。 元は、日米映画で助監督をやっているので、新東宝系の助監督だったのだと推測される。...
View Article『続・座頭市物語』
1962年に公開された「座頭市」シリーズの第二作目、監督は二作目監督とも言われた森一生。 この人は、新興キネマ以来、永田雅一の子飼の監督だが、非常に良い作品が多いが、これも三隅研次の1作目と並ぶ映画になっている。...
View Article山崎徳次郎作品2本
森下にある渡辺信夫さんの私設図書館「眺花亭」での映画会は、『事件記者』2本。『仮面の脅迫』と『真昼の恐怖』。 どちらも、今から見ればサスペンスとしての謎解きは単純すぎるが、映画は面白い。 なによりも、警視庁記者クラブの連中の動静が面白い。中心は、NHKテレビと同じく「東京日報」の永井智雄、滝田祐介、園井啓介、原保美らが活躍し特ダネを取る。そこに新人として沢本忠雄が入って起こす喜劇的筋もある。...
View Article『魚屋宗五郎』みたいな西部劇 『リバティ・バランスを撃った男』
西部の小さな田舎の駅にSLからジェームス・スチュアートのランス上院議員と妻ハリーのベラ・マイルズが降りてくる。 後にメキシコ系の人間が多数出てくるので、メキシコに近いテキサスあたりなのだろうか。 彼は大人物だとして、その町唯一の新聞社の社主と記者が来て、「なぜ来たのか」と聞くと「葬式に来ただけだ」と言い、 その相手はジョン・ウエィンのトム・ドニファンである。...
View Article完全な新派劇映画 『夢の女』
1993年に坂東玉三郎監督、吉永小百合主演で撮った作品をなぜかシネマベティで今週だけ上映すると言うので、見に行く。 以前から玉三郎は、歌舞伎ではなく新派だと思ってきたが、これは完全に新派の世界。 薬問屋の男永島敏行の手で、前借を返して1本になった吉永だが、岡崎の実家に戻ると父が病気で、再び洲崎の遊郭「大八幡」で「楓」として働くことになる。...
View Article植村謙二郎が出ていた 『鬼平犯科帳』
初代松本白鴎主演の『鬼平犯科帳』を見ていたら、盗賊団の頭目として植村謙二郎が出ていた。第62話「罪ほろぼし」(1970年) - 研源である。 飾職人が殺され、そこから大商店を狙ったいる盗賊団の姿が分かってくる。商店主は、小栗一也で後妻は馬淵晴子だが、これが盗賊団が入れた女で、若い手代とできている。そこを狙っている盗賊団の頭目で、一応刀の砥師をやっているのが植村である。...
View Article3月3日は 桜田門外の変
今日、3月3日は、桃の節句、おひな祭りだが、同時に井伊直弼が襲われて殺された「桜田門外の変」が起きた日でもある。 ただ、旧暦なので、現在の暦に直せば3月24日と随分と後になるが、安政7年、1860年のこの日は寒く雪が降っていて、それも襲撃側が襲撃に成功した一因でもあった。...
View Article近藤正臣と石橋蓮司
NHKの『盤上のアルファ』を4回分見た。 主役は、玉木宏、上地雄輔らの若手だが、師匠の近藤、正体不明のヤクザ的な男の石橋が劇を支えていて、劇は脇役が重要ということがよくわかる。 この二人は、京都と東京と離れていても、東映の作品によく出ていた。...
View Article『はじまりのみち』
木下恵介が、1998年12月30日に亡くなったとき、12月31日の『NHK紅白歌合戦』の最後で、久保純子アナウンサーが、 「キノケイ監督が亡くなられた」と言った。その時、私は思った「クボジュンは、木下恵介を知らないのだな」と。以前、横浜映画祭代表の鈴村たけしさんも、「木下恵介をみんなが忘れているのはおかしい」と言っていたがその通りだと思う。...
View Article『一遍聖絵』
高校以来、多くの芝居を見てきたが、こんなに変な劇を見たことがない。 それは、劇の内容や筋のことではなく、役者の演技の仕方である。 高校の文化部演劇班に入ったとき、最初に言われたのは、無駄に動いてはならないということであり、大学の劇団でも「動くときは意味がないといけない」だった。 そうしないと、役の人物の内部がわからないし、それに感情移入できないからである。...
View Article『おとうと』 山根成之版
市川崑監督の1960年のではなく、1976年の松竹の山根成之監督のもの。 市川崑の作品は、池上劇場で見た。 ここは始めは、東宝と東映で、日本最初のシネスコ作品の『鳳城の花嫁』は、ここで見たが、第二東映の系列として池上東映ができたので、東宝と大映の館になったいた。もちろん、今はなくマンションになっている。...
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