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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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三浦和義は分からなかった 『喧嘩太郎』

『喧嘩太郎』は、1960年の石原裕次郎主演作品で、彼が『堂々たる人生』につづきサラリーマンを演じた映画である。 相手役は、警官の芦川いづみで、これが非常に可愛い。              さて、見たのは冒頭のタイトル部分で、「ここに三浦和義が出ている」と舛田利雄の本に書いてあったからだ。 当時、三浦は中学生くらいで、裕次郎の役を演じているらしいが、よくわからなかった。...

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ここでも神戸港は、横浜港だった 『大冒険』

暇だったので、録画してあった、クレージーの1965年の東宝映画『大冒険』を見る。               筋は、日本で偽札が使われているのが見つかり、首相の指示で警視庁のハナ肇以下の刑事が捜査する。 植木等は週刊誌の記者、谷啓はビール会社の技術者だが発明狂で、谷の妹で植木が惚れているのが団玲子で、全員が贋金騒動に巻き込まれる。...

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キューポラはすでになかった 『キューポラのある街』

今では、北朝鮮帰還運動を肯定するのかとの批判もある『キューポラのある街』だが、本当はもっと大きな嘘があるのだ。 それは、映画が作られた1962年に、川口の町にはキューポラ-ポラと称される炉はすでに使用されていなかったことだ。 カメラマン姫田真佐久の本に書かれているが、仕方ないので作って撮影したそうだ。...

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大みそかは横浜の映画館で

31日は、阿佐ヶ谷ラピュタもお休みなので、やっている横浜の映画館を梯子してみることにする。 まずは、若葉町のシネマジャック&ベティ、特に期待はしていなかったが、『日々是好日』は意外なほどにいい映画だった。     大学生の黒木華は、挨拶が凄い女性だとの母親の言葉で、近所のお茶の先生樹木希林の家に、田舎から来て東京の大学に行っている多部未華子と一緒にお茶を習うことにする。...

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『メアリーの総て』

怪奇小説の元祖『フランケンシュタイン』を書いたメアリー・シェリーの伝記映画を一言でいえば、ビクトリアン・コンプロマイズ、ビクトリア的妥協の作品となるだろう。 19世紀のイギリスは、海外の植民地経営と産業革命の進行で空前の繁栄を迎え、また科学や進歩的思想が生まれるなど、文化も発展した時代だったが、総体的には「妥協」的で偽善に満ちた時代だった。...

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ここでも歌われる『若者の歌』 『街に気球が上がる時』

大学の長門裕之が、アルバイトで宣伝のアドバルーンを上げる零細な広告代理店でアルバイトをする1961年の日活作品。 同じ大学の学生だが、アルバイトでは先輩で、長門にいろいろと指示する男勝りの女学生が吉行和子。...

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『ガキ帝国』

1981年、大阪のプレイガイドジャーナル社が、日本ATGと共同で作った映画、脚本西岡琢也、監督は井筒和幸。              時代は1967年頃になっていて、少年院から島田紳介が出所してきて、高校の友人松本竜介らと組んで大阪で騒ぎを起こしてゆく。...

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黒澤明が見たら喜ぶに違いない 『キノ・プラウダ20号』

日本映像学会の映画文献資料研究会の2018年度「科研費」研究のシンポジウムで、1924年のソ連のジガフェルトフの『キノ・プラウダ20号』、イギリスの1935年の『夜行郵便列車』、フランスの1961年の『ある夏の日』の3本の貴重な記録映画が上映された。...

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『女賭博師』

昨年亡くなった江波杏子の代表作『女賭博師』の1作目かと思うと、2作目である。 最初は、よく知られているが、若尾文子を主演に企画された『女の賭場』で、この2作目の方が、江波に合う脚本にされている。 江波は、都心でピアノバーをやっている女性だが、写真のモデルでもあるというように、現代的な女性にされている。 その彼女が持つビルの2階で写真スタジオをやっているのは、恋人の本郷功次郎である。...

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映画的詐術 『ひとりぼっちの二人だが』

夕方、食事をしながらテレビを見ていると、千葉テレビで1962年の日活の『ひとりぼっちの二人だが』をやっている。            前にも見たが、坂本九、浜田光夫、吉永小百合、渡辺トモ子らが総出演の青春映画である。 坂本、浜田、吉永が、浅草で中学の同級生という設定だが、吉永は義母の楠田薫の手で、芸者として水揚げされようとしていて、ヤクザの内田良平や小池朝雄から逃げる筋になっている。...

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語り物映画と詩的映画 『初国知所天皇』

現在では、周知のことだが、サイレント時代から日本映画は、世界的に高いレベルにあった。 その理由は、日本では明治以前から浪花節、講談、落語などの豊かな語り物文化があり、それを基にして娯楽的チャンバラ映画等が、伊藤大輔、マキノ雅弘らの作品になっていた。また、俳句の伝統は、小津安二郎、山中貞雄、伊丹万作などの詩的で知的な作品群に結実していたと思う。...

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『ある関係』

1962年に製作された大映作品、監督・脚本は木村恵吾。木村は、谷崎潤一郎の『痴人の愛』を最初に映画化するなど、エロチックな映画で有名だが、よく見ると非常に演出とキャスティングの上手い人であることが分かる。 原作は佐野洋で、緻密に構成されている。...

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『赤いランプの終列車』『非常な銃弾』

『赤いランプの終列車』『非常な銃弾』は、共に1950年代末の日活作品で、要は添え物の中編である。 『赤いランプの終列車』は、春日八郎の大ヒット曲をもとにした歌謡映画で、春日は、田舎の鉄道の車掌で、歌がうまいので、上京して歌手になる。 実にいい加減な話だが、脚本は後に作詞家になる関沢新一、監督は小杉勇である。...

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『おかあさん』

1952年の新東宝作品、ただしこれは東宝で配給されている。この頃は、製作は新東宝、配給は東宝という分担をしていた時期の最後の作品だろう。その後、新東宝は独立して東宝と完全に手を切り、後には大蔵貢時代になる。                     話は、東京城南地区のクリーニング屋の一家、父親は抑留されていて、弟弟子の加東大介が、母の田中絹代と店をやっていて、長女香川京子の目で物語が進行する。...

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『影の爪』

夜に予定があるので、その前に時間つぶしに見た映画。見たと思い込んでいたのは、やはり岩下志麻主演の『影の車』で、これは見ていなかったが、非常に面白かった。             香山美子と井上孝雄夫妻が、雨の日に車の運転を誤り、男を引いてしまう。 その家に行くと、妻の岩下は非常に丁重で、「夫は酒を飲んでいて落ち度がある」と言い、夫妻は安堵する。...

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『犯罪6号地』

東京の石炭埠頭で男が射殺される。この石炭の山の埠頭は、確か豊洲あたりにあったもので、日活の名作『錆びた鎖』のラストシーンに出てきて、ナイフが石炭の山に刺さるシーンになっている。 刑事の高松英郎は、上野周辺の愚連隊などを捜査するが、その中で名曲喫茶が出てくる。名曲喫茶は、東京に沢山あったもので、私が女の子と最初にデートしたのも、渋谷のランブルだった。...

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『あゝ軍歌』

1970年公開の松竹映画、脚本は早坂暁、監督前田陽一。 戦時中、満州で戦友だったフランキー堺と財津一郎は、東京で小さな旅行会社をやっている。 その仕事の中心は、全国から来る靖国神社への参拝者を案内することで、神社に来ると堺は、軍服に着替えて案内をするなど、一味変わったやり方で生きている。また、フランキー堺は、神社の巫女の倍賞千恵子に惚れていて、独身。...

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『東京行進曲』

1929年に作られた溝口健二の監督作品、原作は菊池寛の小説である。元は1時間以上あったらしいが、検閲等で残っているのは20分くらい。出ているはずの入江たか子の映像はない。           話は、きわめて図式的で、裕福な家の息子一木礼三は、テニスが趣味で、そのコートの下に住む貧しい家の娘の夏川静江に一目ぼれしてしまうが、彼女は突然いなくなる。...

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『野獣の門』

昨年亡くなられた古川卓巳監督の1961年の作品で、二谷英明の主演。 タイトルとラストで変な歌が流れるが、二谷の歌で、宍戸錠に似た声である。            原作山村正夫、脚本小川英。古川監督はまじめな作風で、アクションには不向きではと心配したが、非常に面白かった。 端的に言えば、鈴木清順的な世界なのだ。美術が木村丈夫ではない分、抽象的ではなくリアリズムであることが違う程度だろう。...

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『アッシイたちの街』

アッシイとは部品のことで川崎の比喩であるそうだ。川崎で、家族的部品工場をやっている古谷一行の1981年の映画、大映映像である。 脚本が山内久なので、テレビの『若者たち』のように兄弟が怒鳴りあう芝居が多い。...

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