昨日書いた映画『愛奴』のような変な作品ができた背景は、製作の篠ノ井公平という人だと思う。
どこかで、「インチキ・プロデューサーの一人」と書いてあるのを見たことがあるが、要は独立製作者だったのだろう。
元は、日米映画で助監督をやっているので、新東宝系の助監督だったのだと推測される。
新東宝は不思議な会社で、元は東宝ストライキの時の反組合派だが、中心の渡辺邦男や長谷川一夫はすぐにいなくなり、様々な独立製作者が関係してくるようになる。
篠ノ井公平の映画で私が見たのは、『黒幕』のみだが、エロ的表現のないピンク映画のようなものだった。
篠ノ井公平 
篠ノ井と同じような製作者に望月利雄という人がいて、この人の悪口もどこかで読んだことがあるが、結構大作を作っている。
望月利雄
製作 1951.01.13 夜来香 新東宝＝昭映プロ 1951.03.03 月が出た出た 新東宝＝昭映プロ 1953.06.15 戦艦大和 新東宝 1956.02.26 姿なき一〇八部隊 大映東京 1961.05.31 北上川悲歌 第一プロ 1963.08.28 男の嵐 日米映画 1969.03.29 さくら盃 義兄弟 ニューセンチュリー映画 1969.08.23 さくら盃 仁義 ニューセンチュリー 1970.01.15 関東義兄弟 ニューセンチュリー映画 ... 企画 1970.05.16 喜劇 女もつらいわ 新国劇映画 1970.07.22 あしたのジョー 新国劇映画＝日活 1971.02.06 夜の最前線 東京（秘）地帯 日活 ... 企画 1971.05.22 暁の挑戦 フジテレビジョン＝新国劇映画 1972.08.12 海軍特別年少兵 東宝映画 1974.08.17 樺太１９４５年夏 氷雪の門 ＪＰＭ 1976.10.23 星と嵐 東京映画＝Ｍ・Ｍ・Ｃ 原作 1971.05.22 暁の挑戦 フジテレビジョン＝新国劇映画
1950から60年代の日本映画界は、６社体制が崩壊する中で、いろいろな動きがあった。
最初は新東宝がその受け皿になり、その後は松竹が他社で作られた作品の配給先になるが、その一つだといえるのだろうか。