『絢爛たる復讐』
1946年の小石栄一監督の大映映画。 時代は明確ではないが、トルストイの『復活』を上演している劇団の話なので、大正時代だろう。 地方に来て恋仲になった人気俳優の小柴幹治を慕って、純情な娘の槙芙佐子が上京して劇団に来るが、小柴は『復活』のカチューシャ役の村田知恵子と熱愛していて、槙はまったく相手にしない。...
View Article『江戸城大乱』
1991年に公開された東映とフジテレビによる時代劇映画。監督は舛田利雄なので、派手なアクションの見せ場も多く、最後まで見せる。 徳川4代将軍家綱は病弱で世継ぎがなく、家光の三男綱重に後継が決まり、堀田正俊は甲府に迎えに行くが、族に襲われて綱重は暗殺されてしまう。では、その弟の舘林の徳川綱吉にとなるが、大老の酒井忠清は反対し、尾張や紀州の当主を候補にしようとする。...
View Article『黒い潮』
1949年に起こった下山事件を描いた作品で、原作は井上靖、脚本菊島隆三、監督は山村聡、1954年に製作再開した日活で最初にヒットした作品である。 見るのは多分3度目だが、非常によくできているのに感心し、ラスト近く、津島恵子が、福岡に左遷される山村に対して「私を連れて行ってください」と言うところでは初めて感動した。...
View Article慶応のプールがなくなっていた
昨日は、日本ポピュラー音楽学会の大会が開催されたので、日吉の慶応大学に行く。 ここに行くのは、たぶん1966年春の文学部受験以来で、大きく変わっていたのに驚く。その前に、中学受験でも来ているが、これももちろん落ちたのである。 一番変わったのは、入口の街路樹脇にあった屋外プールがなくなっていたこと。...
View Article『家族』を見た翌日に、宮崎晃の訃報が出ていた
昨日の午後は、、用があって外に出られずNHK BSで『家族』を見る。結構名画座等でやって見たので、3回目だと思う。 私は、山田洋治映画はあまり好きではないが、この1970年の作品は、長崎の炭鉱の小島から北海道の中標津に移住する井川比佐志・倍賞千恵子一家を描くもの。途中は大阪万博も出てくる。 最後、やっとのことで牧場に着き、しかしすぐに死んでしまう祖父が笠智衆。...
View Article『故郷』
昨日に続き、山田洋次監督作品。見るのは初めてで、瀬戸内海の小島で木造船で石を運搬する井川比佐志と倍賞千恵子夫婦の話で、父親は笠智衆。 木造船による石の運搬は、福山の日本鋼管の埋立などでは繁盛したらしいが、トラック輸送と鋼鉄船の普及で廃業に追い込まれている。...
View Article津軽と沖縄の民謡は
月曜日は、両角さんと小島さんの「よろず長屋」で、土生みさおさんの津軽ジョンガラ節を聞く。 高橋竹山のLPも持っているが、ジョンガラを生で聴くのは初めてだったが非常に感動した。 そして感じたのは、津軽民謡と沖縄は、日本に残る縄文文化ではないかと言うことだ。...
View Article年を偽って西南戦争に参加した男は・・・
昨日、NHKで西南戦争の特集をやっていたが、これに年令を偽って参加した男がいる。 それは、軍事オタクだった「日高藤吉郎」で、彼は17歳だったのに年を偽って陸軍に入り、明治10年に起きた西南戦争に従軍したのである。 そして彼は、東京に戻った後、陸軍を退職し、いろいろな事業をやって大金を得て、日本体操学校と日本体育会を作る。...
View Article『力道山の世界征服』
1956年の日活映画。 力道山は当時大変な人気で、日活では何本も製作公開されている。3月に力道山が世界の旅に出る壮行会が日活ホテルで行われる。 堀社長の他、芦川いづみ、北原三枝など。羽田からインド航空機でシンガポールに行き、ここではキングコングと闘う。 その後、ベイルート、ジュネーブに行くが、試合はなし。パリに行くとレスリングの試合に出るが挨拶のみ。...
View Article『ミッドウェー』
1976年に作られた戦争映画。以前、NHKが放映したのを見たので、二度目だが結構きちんと描かれている。 監督は、『エアーポート75』などの大型映画の多いジャック・スマイト。 山本五十六は三船敏郎だが、彼一人がハリウッドに行って撮影したようで、他は日系俳優の総集合。...
View Article京都は大混雑だったので
昨日は、一昨日の日本映画学会が終わった後で、何もない。 調べると国立京都近代美術館で「藤田嗣治展」をやっているので、梅田から河原町に向かう。 ところが手前の烏丸駅で、乗降客を見ると大混雑。これでは地上はもっと大変だろうと思い、そのまま阪急京都線を引き返す。 国立文楽劇場も今月は文楽の公演はないので、適当に昼食をとった後、近鉄で名古屋に行くことにする。...
View Article『男の紋章・流転の掟』
高橋英樹の『男の紋章』シリーズの最後の方で8作目、監督はこれが遺作になった滝澤英輔。 滝澤は、「若草山の滝澤」と言われ、「順撮り監督」で有名で、抒情的な作風で、日活では蔵原惟繕らに影響を与えていると思う。 話は、冒頭で中年男と斬りあいになり、殺害した英樹が、母轟夕起子、恋人の和泉雅子らに見送られて旅を続けるところから始まる。...
View Article『スカイライト』
小川絵梨子芸術監督の手腕については疑問があったので、どうかと思っていたが、まあ普通の出来だった。 この日は忙しくて、まず宝町に行き、「最古の忠臣蔵」の予約券を取ってから地下鉄等を乗り継いで初台に行く。...
View Article『忠臣蔵・梅花の巻 桜花の巻』
12月は『忠臣蔵』の季節で、CSでは沢山放映されている。以前は、地上波でも製作されていたが、最近はないようだ。 これは、1959年1月に公開された東映作品。冒頭に「発展感謝記念」の大川博社長の言葉が出る。 この時期、東映は、中村錦之助・東千代之介の娯楽版が大ヒットし、戦前からの大スターの片岡千恵蔵、市川右太衛門も擁して大変な勢いで、...
View Article『赤穂義士』
1954年に大映で作られた浪曲映画で、たぶんこれが最後の「浪曲映画」だろうと思う。 冒頭に4人の浪曲師の挨拶があり、口演で筋に入っていく。寿々木米若、梅中軒鶯道、富士月子、玉川勝太郎の4人。...
View Article『ダーティ・マリー』は、一般映画だった
早稲田で行われた「プレスシートから読み解く日活ロマンポルノ」で紹介された、長谷部安春監督、梢ひとみ主演の『スケバン刑事・ダーティー・マリー』は、ロマンポルノでも成人映画でもなく、一般映画だったことを初めて知った。...
View Article『殺すまで追え・新宿25時』 『交換日記』
ラピュタの開館20周年特集。 『殺すまで追え・新宿25時』は、1969年の松竹作品で、監督は京都から来た長谷和夫、脚本は宮川一郎と共同。 主演は天知茂で、新宿署の刑事、同僚が自宅でピストル自殺し、妻の原知佐子も自殺を言うが、天知は自殺とは信じられず、自分で捜査をする。課長の高野真二は、なぜか捜査の打ち切りを言い、天知は辞職して独自に捜査する。...
View Article津川雅彦追悼 『孤独の人』上映会
今年8月に、78歳で亡くなった津川雅彦を追悼して、彼が17歳の時に出た1957年の『孤独の人』が、横浜キネマ倶楽部主催で南公会堂で上映された。 主演は津川だが、映画的には小林旭であり、本当の主役は現在の天皇陛下である。 陛下が学習院高等科3年の皇太子時代のことで、原作は藤島泰輔の小説で大ベストセラーを日活が西河克己監督で映画化した。...
View Article『特攻大作戦』
1967年、ロバート・アルドリッジ監督作品。 リー・マービン少佐は秘密作戦の指示を受け、軍の牢屋から12人の無法者を救い出してフランスでの作戦に行く。それは、ノルマンディー上陸に先駆けて、ナチス将校らのパーティーの館に潜入して破壊することだった。 無法者、「ダァーティ・ダズン」が原題で、昔ダァーティ・ダズン・バンドと言うのがあったが、ここから取ったのだろうか。...
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