1970年公開の松竹映画、脚本は早坂暁、監督前田陽一。
戦時中、満州で戦友だったフランキー堺と財津一郎は、東京で小さな旅行会社をやっている。
その仕事の中心は、全国から来る靖国神社への参拝者を案内することで、神社に来ると堺は、軍服に着替えて案内をするなど、一味変わったやり方で生きている。また、フランキー堺は、神社の巫女の倍賞千恵子に惚れていて、独身。
ある時、宮崎はるみという女性が上京し、上野の西郷隆盛像で会うというと、それは老婆の北林谷栄。彼女は、自分の息子が逃亡兵とのことで靖国に祀られていないので、フランキー堺と一緒に神社に行き、自分たちで祀る。
フランキー堺が住んでいるボロ家は、東京の湾岸で、たぶん今の天王洲アイルの対岸だと思う。
そこにアフリカに行きたいヒッピーの真家宏満、いかれたヒッピー娘の風間恵美子、男に騙された城野ゆきらが入ってくる。
最後、仕事に詰まったフランキーと財津は、靖国神社の賽銭を盗むことにし、フランキー堺は、賽銭箱に入り、賽銭を集め、8月15日正午の黙とうの隙を縫って賽銭を持ち出すことに成功するが、当然にも窃盗は失敗し、二人は刑務所に入れられてしまう。
1年の刑期を終わり、外に出ると、なんと元の連中が二人を待っている。
この無関係な人間たちが「家族」を作るというのは、前田陽一のモチーフのようで、他にも同様の作品がある。
城野ゆきは、結構可愛いくて、松竹、東映、日活等に出ていたが、決定的な作品がなく消えた女優の一人である。
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