伊藤大輔と加藤泰
一昨日の午前中は、伊藤大輔の『地獄花』を、午後は加藤泰の『宮本武蔵』を見た。 伊藤が、日本映画史上に残る巨匠であることは間違いなく、『忠治旅日記』等は本当に凄い。 ただ、トーキーになり、さらに日活が大映に統合されて以後は、不振だったようで、戦後も、私はあまり感心した作品はない。 『地獄花』は、ビスタビジョン映画で、冒頭にカラーで「大映ビスタビジョン」と出る。...
View Articleたった77分だった 『浪花悲歌』
先週のトークイベントの素材として、溝口健二監督の『浪花悲歌』を見直した。 戦前の大阪で繰り広げられる恋愛悲劇であり、山田五十鈴の演技が凄く、この時彼女は19歳だったが、すでに嵯峨美智子を生んでいたのだ。 また、当時の大阪は、モダン都市で、豪華なアパート、地下鉄、そごうデパートなど、東京を越えるモダニズムがあったことがよくわかる。...
View Article三原の法則では・・・
昨日で、プロ野球の前半戦が終わり、セでは巨人が9.5ゲーム差、パではソフトバンクが7ゲーム差を付けた。 後半戦は、60試合しかないので、両チームは優勝確実になる。 と言うのは、三原脩の言葉に、「ゲーム差を回復するには、ゲーム差掛ける10試合が必要だ」があり、これは正しいと思うのだ。 ゲーム差など、すぐに回復できそうに思うが、無理やり詰めると反動がおきるなどするものである。...
View Article田中康義氏、死去
松竹の映画監督だった田中さんが亡くなったそうだ、89歳。 田中さんは、東京高校から東大というエリートで、松竹大船の助監督になり、小津安二郎の『早春』、『東京暮色』に助監督に付いていて、現在では全国小津安二郎ネットワークの会員としていつも元気に参加しておられた。...
View Article『主戦場』
ケント・ギルバート、桜井よし子ら出演者が、「学術研究用で公開しないとの約束で取材に応じたのに、公開したのは不当」と訴えている作品。 行くと満員。 「従軍慰安婦」問題について、否定する者の言説が大きくとりあげられているので描き方は非常に公平だと思う。 日本人のみならず、アメリカの「テキサスオヤジ」とそのマネージャーの藤木も。 慰安婦肯定側も、吉見良明や渡辺、中野晃一らも。...
View Articleどこの邸宅だろうか
ラピュタの添物特集、日活の『トップ屋事件帖シリーズ』2本、『影を捨てた男』と『消えた弾銃』 この2本かは不明だが、たぶん2本同時に撮られたと思われ、出演者は水島道太郎、香月美奈子、岡田真澄、佐野浅夫とみな同じで、監督も井田探。 早稲田の映研では、日活の井田と東映の鷹森は見る必要のない監督とされていたが、この2本は比較的面白いので、驚く。 1時間もないものなので、テンポが早く、カット割も細かい。...
View Article『検事とその妹』
戦前に渡辺邦夫監督とディツク・ミネのヒット曲で当たった作品のリメイク。 主演は丹波哲郎と日比野恵子の兄と妹、監督は古い古賀聖人。 まさに歌のとおり、田舎で家が破産し、丹波と日比野が上京してくる。日比野は、看護婦として働き、司法試験を勉強している丹波を支える。 日比野の恋人は、建設会社の男の天知茂で、順調に結婚に進んでいる。...
View Article添物映画について
ラピュタで上映されている添物映画特集は、日頃見られない物が見られて大変にうれしい。 だが、解説には少し間違いがある。 それは、こうした添物作品の発祥を1952年の松竹の「シスター映画」で、その後東映の『新諸国物語シリーズ』だとしていることだ。 経緯としては間違いではないが、それ以前に、古くはサイレント時代から映画は1本立てで上映されてきたわけではないのだ。...
View Article赤木圭一郎ポスター展
赤木圭一郎ポスター展が今日まで開かれているので、上大岡の文化センターに行く。 ギャラリーで、連日盛況で、中には静岡や仙台から来た人もあるとのこと。 主催者の諸星さんと話すと、上大岡の近くにいるとのことで、ここでやることにしたとのこと。 どのようにコレクションしたか聞くと、まずは映画館、会社、さらに古本屋やコレクターから買ったとのこと。...
View Article森伊千雄氏、死去
森伊千雄氏、死去。元TBSの森氏が亡くなり、女優の津島恵子の元夫だと記述されていた。 その通りだが、彼は東宝の映画の指導者だった森岩雄氏の息子だったのである。 森岩雄氏は、PCL以来の東宝映画の指導者だったが、テレビの将来を見通して、子供はテレビ局に入れたのである。 さすがに将来への目があったというべきだろう。 そのテレビも、今やネットに押されているとは、時代の変化は大きいものだ
View Articleニュース映画でよく見たのは
1950年代に映画館に行くと、劇映画の前にニュース映画があった。 外国のニュースもあり、メトロニュースとか、フォックス・ムービートーンニュース等が上映されていた。 そこでよく上映されていたのが、アメリカの人工衛星ロケットの失敗だった。 ロケットが上昇すると思うと、いきなり倒れたり、上昇が止まって爆発したりした。 そんな時に、ソ連が人工衛星を打ち上げたニュースが飛び込んできた。...
View Article『高校生番長・深夜放送』
DNマークが出てきて、「これは駄目だろう」と思うと、その通りダメだった。 DNとは、もちろん敗者連合のダイニチ映配だが、大体つまらなくて、特に大映がひどかった。 大映の「ヤングパワー・シリーズ」では、公開時に『新宿番外地』を見てひどいと思ったので、他は見ていなかったが正解だったと分かった。 新宿の女子高校生が深夜ラジオに電話してきて、会話のとおり列車自殺する。...
View Article『春の若草』
1954年の松竹映画、笠智衆が学校の柔道の先生で、彼の娘月丘夢路と笠の弟子の三橋達也、須賀不二男、三島耕、須賀の妹でピアニストの草笛光子らのメロドラマ。 筋は結構こみいっていて、月丘は三橋が好きだが、三橋は草笛から思われて、行動的な草笛に押されて婚約してしまう。...
View Article『白蛇伝』
1958年、日本で最初の長編アニメ映画として作られた作品。 話は、中国の伝説「白蛇伝」で、これは豊田四郎監督で『白夫人の妖恋』があり、豊田好きの私としては高く評価しているが、それに比べれば漫画映画という限界もあり、やや感動に欠けるものとなっていると感じられた。 話は、幼い頃に助けた蛇の化身の美女から惚れられ、美男美女の恋物語になるが、いろいろと邪魔が入り、一度は別れるが、最後は一緒になる。...
View Article明日町子、死去
今朝の新聞に明日町子が死んだことが出ていた、99歳。 明日町子と言っても、誰も知らないだろうが、私ももちろん舞台は見たことがない。 ただ、後年の映像は見たことがあり、映画『ムーラン・ルージュの青春』である。 戦前とは少し違う場所らしいが、ムーラン・ルージュは新宿東口にあり、1960年代は新宿名画座になっていた。 そこは、日活の三番館くらいで、古い日活作品を上映していて、鈴木清順作品等を見た。...
View Article「そんなに嫌なら、国を出て行けばよい」
アメリカのトランプ大統領が、民主党のコルテス議員等に 「嫌ならアメリカから出て行け!」と言ったそうだ。 この嘘つき者の言うことが本当なら、アメリカにいる権利のあるのは、ネイティブ・アメリカンしかいないことになる。 さて、このような言動を行なった政治家が日本にもいた。 吉田茂である。 彼は、1950年代に北朝鮮帰還運動が起きたとき、大賛成で 「彼らのような不逞の輩は国に帰したほうが良い」と言った。...
View Article高校野球は、プロではないのだから
岩手大会の決勝で、大船渡高校の佐々木が出ずに、花巻東に負けて甲子園に出られなくなった。 見に来た観客には、不満もあり、「なんで出さなかったのか」の声もあるようだ。 だが、当たり前のことだが、高校野球はプロではない。 見せて、人を集めるのが目的のプロなら、無理しても出すべきだろうが、高校野球はプロではないのだから当然である。
View Articleこれぞ類は友をよぶ
N国の立花孝志議員が、丸山穂高議員に入党を呼びかけて合意になったという。 本当にくだらない連中である。 これぞ、「類は友をよぶ」である。 NHKに、安倍政権よりの姿勢などの問題はあるだろう。 だが、BSでの映画、野球中継など、一番見ているのがNHKであり、私は受信料を年間の引き落としで払っている。 吉本興行に代表される、民放のくだらないバラエティ番組よりも、NHKの方がはるかにましである。...
View Article昔の名前で出ています みんなの党
N国党と、渡辺喜美議員が一緒の会派を作り、「みんなの党」を結成したそうだ。 渡辺は、なんだったのかと思うと、みんなの党の後、日本維新の会から参議院の比例区で出て当選していたのだった。 その後、無所属になっていて、今回昔の名前で出ることになったわけだ。 みんなの党も、できた時は非常に人気があったが、その後は大したことはなく終わった。 要は、自民党内の「余計者」の集まりにしかすぎなかったわけだ。...
View Article『嵐をよぶ楽団』
1961年の宝塚映画で、井上梅次得意の音楽もの。 ジャズのフル・バンドをやっていた父親の跡を次ぎたい宝田明が、様々な苦労をしつつバンドを作る話。 面白いと思えば非常に面白く、バカバカしいと思えば、大変にバカバカしく見える作品である。...
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