一昨日の午前中は、伊藤大輔の『地獄花』を、午後は加藤泰の『宮本武蔵』を見た。
伊藤が、日本映画史上に残る巨匠であることは間違いなく、『忠治旅日記』等は本当に凄い。
ただ、トーキーになり、さらに日活が大映に統合されて以後は、不振だったようで、戦後も、私はあまり感心した作品はない。
『地獄花』は、ビスタビジョン映画で、冒頭にカラーで「大映ビスタビジョン」と出る。
これは、昔横浜大勝館でみたことがあるのだが、その時はほとんど真っ赤で、参ったなあと言う感じだった。
話は、戦国時代くらいで、貴族の輿の列が来ると、山上から賊が襲ってくる。
この辺は、黒澤明の『七人の侍』みたいだなと思う。
その貴族の姫らしい市川和子を、頭目の馬介の山村聰がものにしようとすると、その地の賊の女の京マチ子が「助けてやってくれ」と言う。
山村は、「俺ののぞみをきくならいい」として市川を離してやる。
その後、山村は、京マチ子を襲うが、京マチ子は、山村の舌を噛み切り、山村は死に、京の夫で、首領の香川良介は喜ぶ。
だが、京は、山村の子を宿していて、怒った香川は、京を追放する。
そして山中で、京マチ子と鶴田浩二が会い、正義の味方の鶴田は京マチ子を救い、子供も無事生まれる。
香川らは執拗に追ってきて、ついに鶴田と京は湖に逃れ、水に飛び込む。
これで死んだのかと思うと、二人は岸に立っていて、香川はこれを許す。
「ええ、これって何?」と思ってしまう。
続きを作るつもりが事情があってやめたせいなのだろうかと思う。
午後は、加藤が松竹で作った、高橋英樹主演の『宮本武蔵』を見る。
佐々木小次郎は田宮次郎、お通は松坂慶子と元日活、大映のスターである。
ただ、さすが加藤泰なので、明石潮や汐路章らが出てくる。
勿論、任田順好が出て来て、お婆で笑わせてくれるが、元は加藤はお通を主張していて大変だったそうだ。
途中で仁科明子が出て来て、救われるが、この頃は結構太っていたのだなと思う。
加藤としては、決してできは良くないが、それでも伊藤よりは面白いのは、どうした訳だろうか。
加藤は、戦後大映京都で、伊藤大輔の助監督に就いたことがある。『素浪人罷り通る』と『王将』である。
戦中期以後の不振の伊藤の良さは、加藤泰によってその受継がれ、後に東映ヤクザ映画の興隆になったと考えればよいのだろうか。
伊藤が、日本映画史上に残る巨匠であることは間違いなく、『忠治旅日記』等は本当に凄い。
ただ、トーキーになり、さらに日活が大映に統合されて以後は、不振だったようで、戦後も、私はあまり感心した作品はない。
『地獄花』は、ビスタビジョン映画で、冒頭にカラーで「大映ビスタビジョン」と出る。
これは、昔横浜大勝館でみたことがあるのだが、その時はほとんど真っ赤で、参ったなあと言う感じだった。
話は、戦国時代くらいで、貴族の輿の列が来ると、山上から賊が襲ってくる。
この辺は、黒澤明の『七人の侍』みたいだなと思う。
その貴族の姫らしい市川和子を、頭目の馬介の山村聰がものにしようとすると、その地の賊の女の京マチ子が「助けてやってくれ」と言う。
山村は、「俺ののぞみをきくならいい」として市川を離してやる。
その後、山村は、京マチ子を襲うが、京マチ子は、山村の舌を噛み切り、山村は死に、京の夫で、首領の香川良介は喜ぶ。
だが、京は、山村の子を宿していて、怒った香川は、京を追放する。
そして山中で、京マチ子と鶴田浩二が会い、正義の味方の鶴田は京マチ子を救い、子供も無事生まれる。
香川らは執拗に追ってきて、ついに鶴田と京は湖に逃れ、水に飛び込む。
これで死んだのかと思うと、二人は岸に立っていて、香川はこれを許す。
「ええ、これって何?」と思ってしまう。
続きを作るつもりが事情があってやめたせいなのだろうかと思う。
午後は、加藤が松竹で作った、高橋英樹主演の『宮本武蔵』を見る。
佐々木小次郎は田宮次郎、お通は松坂慶子と元日活、大映のスターである。
ただ、さすが加藤泰なので、明石潮や汐路章らが出てくる。
勿論、任田順好が出て来て、お婆で笑わせてくれるが、元は加藤はお通を主張していて大変だったそうだ。
途中で仁科明子が出て来て、救われるが、この頃は結構太っていたのだなと思う。
加藤としては、決してできは良くないが、それでも伊藤よりは面白いのは、どうした訳だろうか。
加藤は、戦後大映京都で、伊藤大輔の助監督に就いたことがある。『素浪人罷り通る』と『王将』である。
戦中期以後の不振の伊藤の良さは、加藤泰によってその受継がれ、後に東映ヤクザ映画の興隆になったと考えればよいのだろうか。