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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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日本にも法王がいた

今、ローマ法王が来日中だが、かつて日本の演劇界にも法王がいた。 それは、劇作、演出の北条秀治で、北条法王と言われていた。 となると、天皇もいて、菊田一夫は、菊田天皇と言われていて、この二人は日本の商業演劇界の二大巨頭だった。 菊田では、『放浪記』など有名作があり、今でもよく知られているだろう。 北条でも、『王将』は、元は彼の戯曲であり、どちらも非常に優れた劇作家だった。          

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『謎解きはディナーのあとで』

こう見えても私は、結構鷹揚な人間で、こうしたお遊び映画も嫌いではない。 ただ、ラスト近く、悲劇の主人公の桜庭ななみがステージで歌ったときは、大いに白けた。 異常に下手だったからで、「なんで吹替えにしないのだ」と思った。 口パクで、誰が怒るのだろうか。 この歌のシーンは、十分に泣かせる重要なところなのだから、そこで白けるのは大いに問題だった。...

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家出サイトについて

大阪の少女が、栃木で保護されて話題となっているが、私は8年前の2011年3月に、次のように書いた。 「若者はいつも大人の予測を超えることをする それが大人への成長の入り口なのである」 2011年03月01日 | その他...

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『傷だらけの掟』

1960年の阿部豊監督の作品。 阿部は、戦前は大監督だったそうだが、日活時代の作品は見たことがない。 存在しないからで、東宝に移籍して後の作品は、最もモダンと言われた阿部は、国威発揚的になっていて、「あれっ」と思う作品群だった。 戦後も、「右翼的」な映画が多く、しかも詰まらないものだったが、これはましな方だ。...

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『破戒』

1948年の木下恵介監督作品、主演は池部良、桂木洋子、宇野重吉、脚本は久板栄次郎。 原作は言うまでもなく島崎藤村で、被差別民の瀬川丑松が、自分の身分を明かす苦悩と周辺の偏見を描いている。...

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『ドッグ・ソルジャー』

1978年の映画だが、背景の時代の感じはもう少し前のように見える。 監督はイギリスのカレル・ライス、この人はイギリスのニューシネマの一人で、高校時代に『土曜の夜と日曜の朝』を見たが、あまりピント来ず、映画好きの先輩も「変な映画だったな」と言っていた。 だが、よく考えると日本の大島渚を代表とする松竹ヌーベルバークも、本家のフランスのヌーベルバークよりも、イギリスのニューシネマの方に近いと思える。...

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『わたしは光をにぎっている』『解放区』

友人の小林君に誘われたので、シネマジャック&ベティに2本見に行く。 まずは、『わたしは光をにぎっている』で、地方から出てきて、立石の銭湯で働くことになるのが松本穂香、一人で古い銭湯をやっているのは光石研。本当に一人でやって行けるのか疑問だが、週に2回も休んでいてやっと営業している。 立石は、京成線に唯一残る昭和的な下町で、次第に再開発の動きが及んで来て、ついに閉鎖になる。...

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イスラエルでは、富有柿を作っている

先週、横浜の朝日カルチャーセンターで、日本女子大の臼杵陽先生の話で、「日本人にとってのエルサレム」を聞く。 エルサレムに行ったことのある、徳富蘆花、加賀乙彦、遠藤周作らの作家、さらに内村鑑三、矢内原忠雄らについてであった。 彼らについての話も面白かったが、戦後イスラエルでは、地中海沿岸で様々な果実の栽培を行った。 そこは、当時は湿地で、マラリアもあり、アラブ人は住まず、高地に住んでいた。...

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『示談屋』

1963年の日活作品、監督は井田探、脚本は安藤日出夫、病室で女性がぐるぐる巻きの包帯が解かれていて、顔がアップされると大きな傷が残っている。 誰かと思うと松本典子で、石原裕次郎・浅丘ルリ子3部作の「テンコ」の松本典子である。これは、脚本家の山田信夫が何かの作品で松本典子と知り合い、気に入り、テンコと呼んだことに由来する。...

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鶴見操車場

月曜日の東京新聞に、新鶴見機関区のことが出ていた。 貨物線車両の「聖地」として人気なのだそうだ。 ここは昔は、鶴見操車場と言われていたところだと思う。 母の実家が、この近くの矢向だったので、親戚に遊びによく行ったものだ。 ここは、広大な地域に様々な線が入っていて、入れ替え等をやっていたと思う。 また、矢向には、この操車場と南武線、浜川崎線等をつなぐ単線の線路が沢山あり、そこを貨物が走っていた。...

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『父ちゃんのポーが聞こえる』

1971年の東宝映画、監督は石田勝心、主演は小林桂樹と吉沢京子。 北海道の映画と思っていたが、タイトルに協力高岡市とあるので、北陸で撮影されたようだ。 国鉄のSLの運転手小林は、釜焚きの藤岡琢也とコンビで北陸を運転しているが、北陸線、七尾線、高山線などだろうか。 この二人のコンビがいつも、悪口を言い合っているが、仲が良いことが分かり、非常に面白い。SLは主にC56のようだ。...

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「強きに弱く、弱きをくじく」

アフガニスタンで、中村哲氏が亡くなられた。 良く知られているように、彼は小説家火野葦平の甥である。『花と龍』の火野である。               中村氏にも、どこか義侠心のようなものがあったと推測する。 これに対して、今の安倍晋三以下の連中にあるのは、アメリカという強気に弱く、国民という弱きに強い卑怯さだけだろう。

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日米の情報公開の格差

太平洋戦争中に、東京ローズと呼ばれた女性がいた。 対米短波放送で、『ゼロ・アワー』という番組でナレーションをしていた女性たちの名である。 そこには、森山久、ティーブ釜萢らによるジャズの演奏も流されていた。 想像されるように、森山久は、森山良子の父、ティーブ釜萢も「かまやつひろし」の父親で、日系のジャズ・ミュージシャンだった。...

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あれは再現フィルムだった

昨日12月8日は、太平洋戦争の開始の日だった。 「12月8日未明、帝国陸海軍は、西太平洋上で米英軍と戦闘状態に入れり・・・」という有名な日映の日本ニュースがある。 だが、これは実は再現フィルムなのである。 真珠湾攻撃は、東郷外相にも知らせなかったくらいの極秘事項だったので、日映の撮影班も最初のラジオ放送には間に合わなかった。...

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『狼火は上海に揚る』は2002年に見たことを言う

12月7日は、日本映画学会の15回大会で京都に行く。会場は京都大学大学院・人間・環境学研究科棟の会議室。 要は、時計台の本部の反対側の奥の会議室。 ここにしても、大阪大学にしても、国立大学は広いなと思う。 大阪大学は、阪急の駅から15分くらい歩いてやっと正門に着き、そこから20分くらいかけて会場に着く。それに比べれば、近いものだが。...

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『七人の刑事』

TBSの人気番組の映画化、堀雄二、芦田伸介、城戸英夫、佐藤英夫、美川洋一郎、菅原謙二、天田俊明の7人が全員出ている。 冒頭、倍賞千恵子と早川保が横浜の山下公園等を散歩していて、「あれっ、警視庁の話なのに・・・」と思うと、翌日朝戸山が原で女性が殺されていて、7人の刑事が来る。              現場の自動車のタイヤ痕などから、自動車修理工の早川が容疑者になる。...

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12月12日は・・・

12月12日は、小津安二郎先生の誕生日で、死去された日である。 この彼の60歳での死を称賛するような言説があるが、私は違うと思う。              60歳での死など、生活習慣病の結果以外のなにものでもない。 毎日の飲酒、タバコ、映画製作へのストレスなど、早く死なせてください、と言っているようなものだろう。...

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旗照夫、死去

梅宮辰夫の死の片隅に、旗照夫の死が報じられていた。 旗照夫と言っても、もう知る人は多くないかもしれないが、テレビの初期ではよく出ていた歌手だった。 ジャズシンガーだったが、元はモデルであり、男性ファッションモデルの開祖である。 86歳とのことで、日本人男性の平均年齢だが、ご冥福をお祈りする。

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『泰山木の木の下で』

三越劇場で、民芸の『泰山木の木の下で』を見た。作者の小山裕士の作品では、『黄色い波』を早稲田の劇研でやった事がある。 亡くなった役者山本亮の強い推薦でやることになったもので、この『泰山木の木の下で』を見てみると、『黄色い波』は随分と穏健な劇だなと思う。 もちろん、時代的な変化もあり、この劇は戦後早い時期に書かれたものなので、原爆と戦争への強い反対意識がある。...

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『この星は、私の星ではない』

田中美津と言って、知っている人はどのくらいいるのだろうか。 1960年代末のウーマンリブの活動家だが、すでに70代の女性になっている。 今回、このドキュメンタリーを見て、初めて知ったのは、彼女は「インテリ」ではなく、本郷の魚屋の娘だったことだ。 普通の店で、母親は面倒見の良いお母さんだったようだ。 だが、美津が5歳の時、店の使用人に彼女は性的ないたずらをされる。...

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