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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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『傷だらけの掟』

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1960年の阿部豊監督の作品。
阿部は、戦前は大監督だったそうだが、日活時代の作品は見たことがない。
存在しないからで、東宝に移籍して後の作品は、最もモダンと言われた阿部は、国威発揚的になっていて、「あれっ」と思う作品群だった。



戦後も、「右翼的」な映画が多く、しかも詰まらないものだったが、これはましな方だ。
池袋が舞台で、不良学生の長門裕之が勝手なことをしていて、二谷英明がボスの暴力団とトラブルになるが、彼は平気である。
彼の兄の葉山良二が、対立するヤクザの組員だからで、親分は金子信夫で、これが非常に悪い。
長門は、やはり不良娘の中原早苗に惚れて、堅気になろうとする。
金子は、それを許すが、代わりに葉山に二谷を襲うことをやらせる。

また、葉山が二谷たちの麻薬取引を横取りする挿話もあり、話の展開は早く、この時期の阿部作品ではましだなと思う。
最後、長門と中原は無事堅気になり、葉山は恋人の南田洋子の目の前で殺されてしまう。

脚本は、山崎厳と助監督の野村孝だが、原案が川瀬昌二になっているが、これは新東宝に共にいた瀬川昌治のことだろうか。
池袋のジャズ喫茶のバンドとして、堀丈男が出ているが、ホリ・プロ社長の堀であり、スチールギターを弾いている。
南田の花屋の店員として、刈谷ヒデ子が出ていた。

チャンネルNECO

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