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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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『わたしは光をにぎっている』『解放区』

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友人の小林君に誘われたので、シネマジャック&ベティに2本見に行く。



まずは、『わたしは光をにぎっている』で、地方から出てきて、立石の銭湯で働くことになるのが松本穂香、一人で古い銭湯をやっているのは光石研。本当に一人でやって行けるのか疑問だが、週に2回も休んでいてやっと営業している。
立石は、京成線に唯一残る昭和的な下町で、次第に再開発の動きが及んで来て、ついに閉鎖になる。
1年後、光石は、松本が銭湯を開き成功しているのを知る。
なにを言いたいのかと思う。たよりげなく見えた松本が、実はしたたかで銭湯運営のノウハウを学んでいたというのだろうか。

次の上映まで時間があったので、下のモーリスで小林君は、広島風お好み焼きを、私はウーロンハイを飲んで、今度はベティで、『解放区』を見る。
英語の題名が、Fraige でこれがなぜ「解放区」なのかと思う。全編、英語の字幕が出る。
話は、東京で、引きこもりの男をテレビ取材する3人のクルーが来て、家に入り、まずは母親を撮り、次に二階にいる本人を撮ろうとする。
勿論うまくいかず拒否されるが、アシスタント・ディレクターが、あるCDのことで本人と意気投合し、そこで二人は盛り上がる。
だが、ディレクターは異常に不愉快になり、家の外に出て、アシスタントを罵倒し、首にしてしまう。

すると、このアシスタントは、引きこもりの本人を連れ出して大阪に行く。そこで彼を使って、3年前にディレクターが自分で取材したが、消えてしまった少年を探すテレビ取材を二人で始める。
いかがわしい酒場や、そこで出会った女といきなり部屋でセックスするが、翌朝女にバックの金を持ち逃げされ、取材は頓挫する。
さらに、引きこもりの男からも、「いったい俺になにをしてくれた、なにもしていないじゃないか」と逆襲される。
最後、麻薬を打ち、その代金のことでヤクザのような男とトラブルになり、アシスタントは殺されてしまう。

言ってみれば、「フェイクド・キュメンタリー」で、ここでもなにを言いたいのと言いたくなる。
近年フェイクドキュメンタリー的な作品が多く、その不貞腐れ方の徹底性は、この作品は凄いとはいえるが。
こうした作風は、一般の人向けではなく、映画好きのすれっからしのみに向けた映画だと思う。
良い傾向とは私は思えないのである。




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