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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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SP盤の迫力にはあらためて驚嘆する

武蔵野美術大学で行われている中村とうようさんの『ポピュラー音楽の世紀』展のイベント,北中正和さんと田中勝則さんのレコード・コンサートに行く。 少し遅れて会場に入ると、ブラジルのカルメン・ミランダの曲が終わったところ。この人の唄のリズム感は本当に素晴らしい。 続いてフラメンコの古典的女性歌手のニーヤ・デ・ロス・ぺイネスの1930年代のSP盤。...

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調布飛行場が出てくる映画は・・・

先週の日曜日に調布飛行場を飛び立ったセスナ機が墜落して民家に落ちて死者が出る事故が起きた。 調布と言えば、日活撮影所だが、この調布飛行場が出てくる日活映画はそう多くはない。 中平康の傑作『紅の翼』は、羽田空港であり、他の作品も羽田を使っているものが多く、調布が出てくるのは末期のことになる。 1970年の長谷部安春監督の『野良猫ロック・セックスハンター』である。...

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まだ、江戸時代なのか 磯崎補佐官発言

磯崎という首相補佐官の「法的安定性」の発言が問題になっているが、この人は本来的に「人治主義」なのではないかと思った。 東大法学部出の高級官僚の中には、こうした「偉い人」がいるようだ。 私ではないが、国際室の課長が、某国に行き、そこの領事にお会いした時、彼から数年前に横浜市に行った時の不満をさんざ言われたとのこと。...

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『柳生武芸帳・夜ざくら秘剣』

近衛十四郎主演で2本、ニュー東映で作られた「柳生武芸帳」シリーズ。脚本は結束信二、監督井澤雅彦で、非常に快適に話が進むのはさすがである。                   柳生の里の柳生氏の家から秘伝の武芸帳が盗まれる。冒険小説のパターンは、秘宝が盗まれて、というものが多いが、これも同じである。...

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『やぶにらみニッポン』

1963年、東京オリンピック開催に浮かれる東京を舞台にして日本と外国との係わりを描いた非常に珍しい作品。                    製作の金子正且さんによれば、「鈴木監督に合わないものを押付けてしまった」と書いているが、最近、見た映画で一番面白かった。 監督はその鈴木英夫で、脚本は奥山長春。...

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『歴史を繰り返すな』  坂野潤治・山口二郎 岩波書店

2014年の夏に出されたもので、言うまでもなく前年の民主党の政権喪失と安倍政権の成立への危機感から来ている。 この時に、集団的自衛権の閣議決定の日に、と書かれているが、その危機感は今や現実のものになって来た。 もちろん、二人の立場は、民主党支持なので、異論のある方も多いに違いない。...

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叶順子、一世一代の名演技 『黒の報告書』

1962年、黒のシリーズ2作目で、増村保造監督得意の裁判劇で、若い検事宇津井健の活躍を描く。 増村は、東大法学部では三島由紀夫と同級で、大映に入社後に暇だったので、その後大学にも通い文学部も出たという信じがたい秀才なのである。 千葉で会社社長の男が殺される(彼の姿は、一度も出てこない)。 凶器は花瓶の壺で、深夜帰宅した長男で劇団の演出家仲村隆によって発見された。...

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吉原戦後史 『にっぽんぱらだいす』

『やぶにらみニッポン』と一緒に見た1964年、前田陽一の監督デビュー作品。昔横浜のシネマジャックで見たことがあり、その時はかなり感心したが、今度見てみて随分と安上がりな映画だなと思う。 1945年から、1957年の売春防止法制定による赤線の廃止までの吉原(ここでは桜原)の戦後史であるが、ほとんどの場面が松竹大船撮影所の中で撮影されている。 その意味では、城戸四郎氏が喜ぶのも当然だったと思う。...

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太田はカーブが投げられなかった

昨日から、高校野球が始まり、特番で元三沢高校の投手太田幸治が出ていて、彼は「3年でやっとカーブが投げられる、だがろくに曲がらないカーブをやっと投げられるようになった」と言っていた。 確かにそうだろう。江夏も、阪神に入って1年目はカーブが投げられず、ストレートだけで、2年目にカーブを覚えたと言っていた。 逆に言えば、カーブを使わなくてもいくらでも三振が取れたということでもある。...

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浪曲とVディスクとの違い

浅草公会堂で、加東大介の戦争中の実話に基づく『南の島に雪が降る』を見た。 有名な実話で、映画にもなっているが、ここでは元宝塚の大和悠河が出ているので、新たに主人公の妻の他、現地のオランダ人娘も配するなど、原作を少し変えた筋になっている。 あらためて、この劇を見て思ったのは、この劇の日本の戦争ものに占める特異性であった。...

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『光る女』

日本映画史に残る滅茶苦茶映画だと思う。結構面白そうなアイディアはあるが、すべてが失敗している。 途中から製作に参加した伊地知啓によれば、主人公2人の選びが非常に大変で、男は強いからと若手プロレスラーの武藤啓司にし、女は音大生等を探したがいなくて、「ピアニストの娘でいい子がいるから」と騙されて秋吉満ちるになったとのこと。...

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「大国は大国がお好き」

安倍内閣の安保法制も、衆参での多数の割には、順調に進んでいないようだ。 ここで一番疑問に思うのは、安倍内閣は尖閣問題など盛んに中国の脅威を煽っているが、万一の場合、アメリカは日本の味方になるのだろうかということである。 冷静に考えてみれば分かるが、「大国は大国が好きなもの」であり、恐らく普通の米国人は日本よりは中国の方が好きだと思われる。...

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通婚圏は意外にも狭いものだ  澤穂希選手結婚

女子サッカーの澤穂希選手が結婚されたそうだ。 相手は現在は一般人だが、もともとはJ・リーガーとのことで、言わば職場結婚なのだろう。 文化人類学で、「通婚圏」という考え方があり、どの範囲で結婚の相手を求めるかをいうものである。                     澤選手も、職場結婚という、意外にも狭い範囲で相手を選択したようだ。...

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『小津安二郎の悔恨』ができる

拙書『小津安二郎の悔恨 帝都のモダニズムと戦争の傷跡』ができました。 書店に並ぶのは、8月18日以降になると思いますが、どうぞよろしく。 前回にくらべて、内容は全体に軽くなっていると思いますので、気楽に手に取って読んでください。           

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『ハーツ・アンド・マインズ』

1974年、まだベトナム戦争の帰趨が決まっていない時に公開されたドキュメンタリー映画で、非常に精緻にできている。                     戦後の、フランスとの独立戦争から始まり、ベトナム戦争の実態を鋭く描いている。ただ、決して一方的に告発するものではなく、アメリカ、フランス、ベトナムなど政府側政治家の意見もきちんと出てくる。...

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『殉愛』

1956年に鶴田浩二と八千草薫の共演で作られた悲劇だが、筋が非常におかしい。                   昭和20年春から始まり、予備学生つまり海軍に取られて特攻隊にされた鶴田、小林桂樹、佐原健二たち。 佐原は、すぐに中尉の加東大介と共に出撃して死ぬ。鶴田には恋人の八千草薫がいて、父は笠智衆、母は夏川静枝、妹は峰京子の上流家庭である。...

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虚しい自己陶酔 安倍首相戦後70年談話

スマフォで安倍晋三首相の戦後70年談話を聞くが、本音ではないし、嫌々言いつつ、歴史の肯定的な場面では非常に自己陶酔している虚しい演説だった。                      幕末から明治維新、日露戦争、昭和恐慌から中国への侵略と太平洋戦争と敗北に至る過程については、ほとんど他人事であって、まるで自然災害のように太平洋戦争は起き、日本は負けたかのように聞こえた。...

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関東に海軍機の特攻基地があったのだろうか

先日見た『殉愛』は、非常に変な映画で、海軍予備学生で特攻隊員の鶴田浩二が、東京と基地の間を簡単に往復する話だった。 タイトルに昭和20年春とあったのに、当時の交通状況はそんなにも良好だったのかと思ってしまった。 最後、出撃の前日に鶴田は、妻の八千草薫が住む東京の邸宅に来る。...

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想像力の問題

昨日は、太平洋戦争が終わった日で、戦没者追悼式が行われ、天皇陛下のお言葉があった。 そこには、先の大戦への反省と平和への希求がぎりぎりの言葉で表現されていた。 それは、明らかに安倍晋三首相の談話との本質的な差があった。 簡単に言えば、戦争を体験した者と、知らない人間との違いだと言えるだろう。 1945年の夏に那須の御用邸から戻られた皇太子は、焼野原の東京に大きな衝撃を受けたそうだ。...

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女優としての湯川れい子さん

湯川れい子さんの伝記『音楽に恋をして』を読むと意外なことと、すでに知っていたことが混ざっていて非常に面白かった。 私が、湯川さんの名を知ったのは、1960年代の初めで、ラジオのDJとモダンジャズの解説書の『モダンジャズ入門』でだった。 当時、彼女を非常に有名な人だと思っていたが、実はほんの数年前にラジオや雑誌などにデビューした大変な若手だったのだ。...

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