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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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女優としての湯川れい子さん

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湯川れい子さんの伝記『音楽に恋をして』を読むと意外なことと、すでに知っていたことが混ざっていて非常に面白かった。

私が、湯川さんの名を知ったのは、1960年代の初めで、ラジオのDJとモダンジャズの解説書の『モダンジャズ入門』でだった。

当時、彼女を非常に有名な人だと思っていたが、実はほんの数年前にラジオや雑誌などにデビューした大変な若手だったのだ。

へえー、と言う感じだったが、知らなかったのは、日活で公開された富士映画、丸根賛太郎監督の『天下の若君漫遊記』に出ていたというか所である。

今井正監督の『ここに泉あり』や山本薩夫監督の『太陽のない街』に出ていたのは知っていたが、富士映画のつまらない作品にも出ていたとは初めて知った。

この作品は、実はつい最近見たのだが、湯川さんがどこに出ていたか憶えていない。多分、昆布巻き背負った腰元だろうが。

               

 

 

今見ても彼女の姿が明確にわかるのは、ジョニー・トロットソンのヒット曲の日活歌謡映画『涙くんさよなら』である。

ここではラジオのDJとして出てくるが、これはジュディ・オング主演の「母親探し映画」で非常に面白かった記憶がある。

脚本は倉本聰先生で、監督はロマンポルノ最多作の監督の西村昭五郎だった。

ただ、ファーストシーンで、GIが『聖者の行進』を歌うのは、ひどく、時代から考えれば、フォークかロックを歌うべきところだが、当時の日本映画の知的レベルから見れば仕方ないところだろう。


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