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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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『ある女学生の日記』

2007年に作られた北朝鮮の映画で、私が過去に見た北朝鮮の映画の中では、一番普通の市民の姿を描いた作品だと思う。 今回も上映された『花を売る乙女』、『プルガサリ』、の他、『金剛山の歌』や『義士・安重根』も見ているし、『金剛山の歌』は、北の国立歌劇団の公演を浅草国際劇場で見たこともある。 北朝鮮映画などというと、「非国民」と言われそうだが、やはり見ておく必要は十分にあると思う。...

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沢田研二映画2本

台風は、まだ来そうもないので、黄金町に行き、沢田研二映画祭を見に行く。 今回上映されるのは、全部見ているのだが、途中で山口敏太郎という人がトークショーをするというので、行くことにした。 この人は、今回初めて知ったが、オカルト研究家・作家だそうで、オカルトと沢田研二という取合せの奇妙さに興味を引かれたのである。 果たしてこの天気で人が来るのかと思うが、ファンらしき女性たちも含め、数十人の観客。...

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『夫婦善哉』終わり

NHK大阪の『夫婦善哉』が終わったが、最終回の4回目は、二人が大阪から別府に行き、化粧品店を始めて小成功をする話。 これは、元の小説にはなかったが、近年発見され、刊行もされた『続・夫婦善哉』によるもの。 大阪から離れて別府で商売をやるというのが面白い。 別府は、当時関西からの航路も開かれ、また九州なので、当時の国際都市上海からも近く、内外の観光客が多く来て、繁栄したようだ。...

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把瑠都はなぜ引退したのか

テレビの相撲放送を見ていたら、元大関把瑠都が出ていたが、その笑顔は以前のように可愛く、また話も面白い。 なぜ引退し、母国エストニアに帰ってしまうのか、誠に残念である。 私は、批評や評論は書くが、悪口は書いたことはない。だが、今回だけは例外であり、お許しをいただきたい。 彼の所属は、大田区池上にある尾上部屋で、以前地元池上に行ったときに聞いた話を書いておく。...

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現代音楽と現代詩

現代音楽と現代詩、どちらも「コンテンポラリー」が形容につくジャンルであり、私が高校生から大学の頃、一番興味を持っていたものである。 だが、1990年代以降、私はどちらにもほとんど興味がなくなった。 それは、多く表現が前衛的で、繊細な感性がないと感受できない作品群なので、年を取って私に感性がなくなった性であるかもしれない。...

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戦争映画2本

ラピュタの佐藤允特集、戦争映画2本、『あゝ 陸軍隼戦闘隊』と『青島攻撃命令』で、前者は昭和の戦争だが、後者はきわめて珍しく第一次世界大戦時の青島攻撃の話。 前者の主人公は、陸軍の軍神加藤建夫の生涯を描くもので、言うまでもなく1944年に東宝で作られた、山本嘉次郎監督の『加藤隼戦闘隊』と同じだが、これは1969年に公開された。...

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関西フォーク対東京アングラ演劇

江東区森下といっても、両国に近い千歳1丁目なのだが、恐らく東京で唯一、渡辺信夫さんがやっている私立図書館の眺花亭のビデオ鑑賞会に行く。 その前に、時間があったので、渋谷のシネマヴェーラで『アレキサンドル・ネフスキー』を見たが、最後は眠ってしまう。 多分見たのは昔ATGでのと2回目だと思うが、ロシアも蒙古、スエーデン、ゲルマンの侵略を受けているわけだ。...

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帝国軍人が全員長髪の芝居 『ぞめきが消えた夏』

大日本帝国軍人が全員長髪の芝居を初めて見た。アトリエエッジの『ぞめきが消えた夏』 友人の知り合いの女優が出ているからと券を買わされたので見に行く。 話は簡単で、徳島で阿波踊りをやっている祖父さんが実は戦争中グアム島で、悲惨な戦闘に参加していたというもので、「ぞめき」は、阿波踊の伴奏音楽。 ぞめきが消えた夏とは、戦時中は「阿波踊りとは不謹慎」とのことで中止させられていたこと。...

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学力テストに意味はあるのだろうか

全国学力テストで成績不良があった静岡県の川勝知事が、一転して成績上位の学校名を公表するとのことになったそうだ。 なんともバカバカしいことだと思う。 なぜなら中学校程度の学校での成績は、児童の自身の能力というよりも、家庭や地域の属性によって決まってしまうものだからである。 本人の努力や真面目さ等とは関係なく、外部の影響が大きいからである。...

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なぜ、安倍政権は懐旧的政策を取るのだろうか

特定秘密法案など、安倍晋三政権は、ひどく古臭い、「戦前の日本に戻らせるの」とさえ思える政策を取るのだろうか。 自民党政権のある種の末期的延命策の一つだといえるが、なぜなのか、その理由のヒントが、先日も書いた豊下楢彦の『昭和天皇・マッカーサー会見記』にあった。...

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『書いて、恋して、闊歩して 作曲家・吉田隆子』  辻 浩美

吉田隆子の名を最初に知ったのは、評論家・村上一郎の本であった。村上は、久保栄の弟子だったので、久保のことの記述の中で、吉田隆子の名も出て来たと思う。 彼女は、1910年2月に軍人の父吉田平太郎・ヤスの5人兄弟の二女として東京の目黒に生まれた。 1910年と言えば、黒澤明も1910年3月であり、彼女は森村小学校にいたこともあるので、黒澤と一緒にいた可能性もある。...

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『野良犬』の裏返しの『夜の終わり』

1953年公開の東宝映画、谷口千吉監督、池部良、岡田茉莉子主演の『夜の終わり』を見た。 東京新橋のバーの女給岡田は、貧しい若者池部良と恋仲で、いずれ結婚して所帯を持とうと思っていて、池部は夜の下水道清掃の仕事をやっている。 この辺の貧しい恋人たちの感じは、黒澤明の『素晴らしき日曜日』にも似ている。 下水道清掃の仕事の係長は志村喬で、浅草清川町に住んでいて、ここはラストの方で出てくる。...

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映画『くちづけ』からデビット・ルヴォーに

フィルムセンターで、『石中先生行状記』と同じ東宝得意の1955年のオムニバス映画『くちづけ』を見る。 一話は、筧正典監督、二話は鈴木英夫、最後の三話目は、成瀬巳喜男の監督で、原作は石坂洋次郎、脚本松山善三、音楽は斉藤一郎。 筧作品は、大学生の青山京子が、未亡人の姉杉葉子の再婚話に揺れる「乙女心」を、同級生太刀川洋一との接吻話に絡める軽い話で、青山は高峰秀子に似ているなと思う。...

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デビット・ルヴォー スぺシャル・トーク

東京芸術劇場で、イギリスの演出家で、かつてTPTで、芸術監督として、また演出家としてすぐれた作品を作ってきたデビット・ルヴォーのトークの案内が来たので行く。 今、東京芸術劇場でワークショップをやっているとのことで、その追加イベントのようだ。 聞き手は、長谷部浩先生で、彼は1994年にルヴォーについての本『傷ついた性』を書いていて、これが彼の最初の書き下ろしだったそうだ。...

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『幻燈辻馬車』

池袋のシアター・グリーンに劇団俳小の『幻燈辻馬車』を見にいく。 劇団俳小は、かつての劇団俳優小劇場の後身で、劇団俳小に改称後の現在は、大学の劇団の先輩斉藤真さんが代表をつとめられている。 俳優小劇場は、演出家早野寿郎を代表に、小沢昭一、山口崇、露口茂らを擁する有名な人気劇団だった。...

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個人名をつける日本での例外

アメリカの駐日大使としてケネディ大統領の娘キャロライン・ケネディが赴任してきた。 彼女の名キャロラインを歌ったのが、二ール・ダイヤモンドの『スイート・キャロライン』であるのは有名だろう。 また、二ール・セダカのヒット曲『オー・キャロル』は、ニューヨークの高校の同級生だったキャロル・キングのことであり、その返答にキャロル・キングは『オー・二ール』を歌ってレコードにしている。...

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ケネディと発音できない人びと

キャロライン・ケネディが駐日大使として赴任してきた。 だが、このケネディをケネディとして発音できない人がいる。 私の母は、明治生まれで、高等小学校もろくに出てない人だったので、英語の発音は苦手で、常に「ケネデエ」と言っていた。 アナウンサーでも古い方は、苦手だったようで、NHKのある方もいつもニュースで「ケネデエ」大統領と言っていた。...

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『ブラジルの土に生きて』

南武線で立川に行き、柴崎学習館で上映された岡村淳監督の『ブラジルの土に生きて』を見る。 4時間近い長編だが、非常に面白かった。 主人公のミナスジェライスの農場に住む石井延兼さんは、1909年7月生まれで、17歳のとき、軍国主義化する日本から出てブラジルに移民し、4年後、一時来日して結婚されて、ブラジルに戻る。...

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私も詩人だった頃

横浜の詩人廿楽順治さんたちの雑誌『Down Beat』の同人による、版画家宇田川新聞さんの版画に詩を付けた作品の発表イベントが行われた。 黄金町のたけうま書房。   非常に面白いイベントだったが、久しぶりに私も詩人を志し、結構書いていた高校生時代を思い出した。 1960年代の当時は、普通の文学青年・少女なら、詩を読むことは当たり前のことで、少女たちは、みな中原中也のファンだった。...

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『探偵事務所23・銭と女に弱い男』

宍戸錠の、『危険なことなら銭になる』以後の(あるいは『ろくでなし稼業』以降というべきか)アクション・コメディのほぼ最後の作品で、見ていなかったがかなりの傑作だった。 監督は、ヤナカンこと柳瀬観、私立探偵の宍戸錠が、銃砲店とキャバレーを舞台に密輸をしている香港系のギャングを暴くもので、やや筋が錯綜しているが、展開が早く、リズムがあり、切れが良い。...

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