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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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学力テストに意味はあるのだろうか

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全国学力テストで成績不良があった静岡県の川勝知事が、一転して成績上位の学校名を公表するとのことになったそうだ。

なんともバカバカしいことだと思う。

なぜなら中学校程度の学校での成績は、児童の自身の能力というよりも、家庭や地域の属性によって決まってしまうものだからである。

本人の努力や真面目さ等とは関係なく、外部の影響が大きいからである。

 

私が中学3年の頃は、今では信じられないが、民間の業者テストが年に6回あり、教師は受験を奨励し、申し込みも、結果の報告もすべて学校を通じて行われていた。

その結果は、都立高校の学区毎に発表されていたが、当時の学区は、所謂「小学区制」以前の「大学区」で、実は中選挙区制時代の衆議院の選挙区をいくつか合わせたものだった。

石原慎太郎がよく言っていた、「小尾虎男が東京の教育を破壊した」と言うのは半分は本当である。

私たちが卒業後に導入された都立高校の「学校群制度」は、都立高校のレベルを相当に下げ、私立高校への入学を促進したのは事実である。

 

テストの結果は、上位300(俗に「300番代」)人の氏名と学校名が出されていたが、彼らは、麹町中、田園調布中等で、大田区の蒲田、池上等の下町勢はほとんどいなかった。

だが、その中にあって、いつも名前が出ている女性がいて、蒲田の中学校だったので、私たちは「この人は一体どういう女性なのか」と思ったものだ。

10数年後、その謎が解けた。

彼女の親戚の方が、学習塾をやっていて、そこに通っていたので、言わばテストのプロだったのだ。

彼女は当然にも日比谷高校に入ったそうだ。

 

嫌味になるが、この「300番代」に私も、たった一度だが載ったことがあり、担任の教師は非常に驚愕し、我がことのように喜んでいた。

その後の私は、大学卒業後、横浜市の一公務員になったに過ぎず、水戸黄門風に言えば、「木っ端役人」として、ほぼ一生を終わることになる。

その意味で、10代の成績を云々するなど、実にバカバカしいことなのである。


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