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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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官僚制そのものだった日本軍 『昭和の名将と愚将』 半藤一利・保阪正康(文芸春秋新書)

先週、「Down Beat」のイベントが行われた黄金町のたけうま書房の100円コーナーで買った本。 元は、雑誌「オール読物」で対談したときのもので、二人とも昭和史、陸海軍についての著書を多数出され、実際に多くの軍人にインタビューされているので、内容はきわめて濃くて面白い。 名将と書かれている人には、私が知らない人もいた。...

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『歌え!太陽』

今回のフィルムセンターの東宝復刻特集で一番見たかったのは、実は昭和20年11月に公開された、東宝としては戦後最初の映画だった。 陸軍を除隊し砧撮影所に戻った広澤栄は、これにサード助監督でつき、次のように書いていて、私も『黒澤明の十字架』のP98に引用した。...

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『ウルトラマンが泣いている』 円谷英明(講談社新書)

著者は、円谷英二の長男一(はじめ)の二男で、兄昌明の後を受けて2004年6月に6代目の社長となった方であるが、2005年4月に取締役会で解任されてしまう。 その原因は、彼には伯父になる円谷英二の二男で、3代目の社長として1973年から1995年まで社長として22年間君臨した円谷皐(のぼる)氏との確執があった。...

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『麦笛』

1955年、室生犀星の小説『性に目覚める頃』を原作とした豊田四郎監督作品で、久保明、青山京子の『潮騒』のコンビに、久保の友人に太刀川洋一である。 寺の住職志村喬の息子の久保は、父の後を継ぎ僧侶になる気はなく、文学を志していて詩を書き雑誌に投稿している。 その詩の仲間で親友なのが太刀川で、彼は茶店の娘青山京子と相思相愛の仲で、彼は久保にいろいろなことを教えてくれる。...

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私も1億円を運んだことがある

猪瀬直樹が、昨年の都知事選挙の際に、徳州会から5,000万円を貰ったことが問題になっているが、実は私は、今からちょうど40年前のことだが、現金約1億円を運んだことがある。 横浜市に入り最初の職場は、市会事務局庶務課だった。 一番若い下っ端の職員だったので、みなさんの使い走りだったが、その一つに、毎月支給される議員、職員の現金の運搬があった。...

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猪瀬ピエロの決末やいかに

猪瀬東京都知事が、「借用書はこれだ」として紙片を見せたが、疑惑はさらに深まるばかりである。 金額と自分の氏名、住所、貸付人名だけで、担保も返済期限もない。 これは何を意味するのだろうか。 担保は、東京都知事という職務権限であり、返済期限は4年間という知事の任期である。 つまり、4年間の任期の間に便宜を図ってくれという意味であり、贈収賄に該当する案件だろう。...

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堤清二氏とランチを同席したことがある

セゾングループの代表だった堤清二氏が亡くなられた、86歳。 彼の業績は、セゾングループの代表として様々な新規事業をやったが、自身も辻井喬として、詩人、作家としても活躍された。 私が高校生で詩を書いていたの頃、で辻井喬と言う詩人が、次々と詩集を出すので、この人は一体何者なのかと思ったが、後に堤清二の筆名とわかり、なんだと思ったことがある。...

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『土砂降り』

東京フィルメックスでは、生誕100年で松竹の監督中村登を特集しており、他は見ているので、普段上映されることのない『土砂降り』を見る。 中村登と言えば『古都』や『集金旅行』『修善寺物語』を代表作とする文芸ドラマが多く、中庸的で穏健な作品であり、時として不満足な感じも与えることが多い。     だが、これは非常に苦い味の作品で、木下恵介の傑作『日本の悲劇』を通俗的にしたような作品だった。...

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『魚河岸の旋風娘』

この程度の映画だろうと思っていたら、やはりその水準の作品だった。 脚本は富田義朗で、この人はかなり良いシナリオを書く人だったが、テレビを含め多作なので忙しく丁寧に書けなかったのだろう。...

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昭和の産業遺物に会った

昨日見た松竹映画『魚河岸の旋風娘』の中でも、魚河岸の連中が料亭に招待で京都旅行に行く場面があった。 いわゆる団体旅行で、日本の旅行の主力は、かつてはこの団体旅行で、業界では主な支店には「だんりょなになに支店」と言うのがあった。 中高の修学旅行に始まり、会社、役所、地域、労働組合、同業組合等の団体旅行は、大きなマーケットだったが、今は随分と減少しているらしい。...

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たまには本の宣伝を

拙書『黒澤明の十字架 戦争と円谷特撮と徴兵忌避』を現代企画室から4月に出して約半年がすぎた。 いろいろな反響があり、概ね好意的な評価で、大変うれしく思ってきた。                            最近も二人の方からご感想をいただいた。 一人は、20代のとき一緒に芝居をやっていたときの仲間の一人Sからで、10年ぶりくらいで手紙だった。...

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横浜市庁舎跡に県立図書館を

「どうでも良い三流映画のことばかり書くな」とのご意見もきたので、たまには真面目なことも書く。 今朝の新聞によれば、この数年間大問題になっていた、紅葉が丘の県立図書館は、建替えにすると知事が議会で答弁したそうだ。 さすが黒岩知事と言いたいところだが、従来案の紅葉が丘の県立図書館の閉鎖、閲覧の中止、他の市町村図書館へのサービスの特化よりは遥かに良いとは思う。...

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『流星ひとつ』 沢木耕太郎(新潮社)

先日亡くなった藤圭子への、沢木が1979年秋に行われたインタビューの初めての公開である。              ちようど藤圭子が引退を表明し、12月の最後のコンサートが行われた間のことである。 これを初めて読んで驚くのは、藤圭子について言われていた様々な伝説がすべて本当のことだったということだ。...

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気分が悪くなる映画 『彼のオートバイ、彼女の島』

録画してあった大林宣彦の『彼のオートバイ、彼女の島』を見るが、みていて相当に気分の悪くなる作品だった。 大林はそう嫌いではなく、メジャー1作目の『ハウス』も面白いと思い、併映の『泥だらけの純情』はひどいと思ったくらいだ。 だが、この1986年とバブル時代に作られた映画はひどい。 その理由は、私がオートバイや車を愛好しない性だが。 誰も本気で映画を作っていない。...

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正確なアドレスを送ってください

先日、名無しのごん子さんから、私のホームページあてにメールをいただき、昨日から何度もご返事しているのですが、すべて戻ってきてしまいます。 もう一度正確なアドレスを送ってください。 どうぞよろしく。

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「君は御殿女中になれるか」

先週の土曜日に京大で行われた日本映画学会第9回総会に行ってきた。 日本映画学会に入った理由はただ一つ、入会に際して推薦人が不要なこと、会費も年3,000円と安いことである。 昭和28年に、京大法学部四年の大島渚は大手民間企業の就職試験に落ち、法学部が助手を募集していると言うので行くと猪木正道教授に聞かれた。...

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違う人のことを言っているのでは?

名無しのごん子さんと私が言っている中村勘三郎は、代が違うのではないかと思いました。 私が言っているのは、1988年に亡くなった17世中村勘三郎のことで、ごん子さんが言われているのは、彼の息子で去年亡くなられた18世の中村勘三郎のことではないでしょうか。 17世は、大変芝居の上手い、勘の鋭い役者でしたが、反面気が乗らないときは、適当に演じるので有名でした。...

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三船敏郎の晩年

文芸春秋11月号に載っていた『三船敏郎の栄光と、その破滅』を読む。 渾身のノンフィクションと言うにはやや底が浅い気がするが、三船の晩年の姿をきちんと描いているのは大変に貴重である。 三船プロの盛衰、特にプロの片腕だった田中寿一が独立、分裂して以降の下降の中で、三船は、家庭の騒動もあり、心身共に老いて言ったようだ。 そして、平成に入り、認知症状態になったとのこと。...

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『サムライの子』

新文芸座の小沢昭一の1周忌特集、ほとんど見ているので、見ていないもの2本を見に行く。 1963年の日活映画『サムライの子』は、前妻と娘を紋別に置いて逃げた小沢が、以後育てていた祖母が死んだので、娘ユミ(田中鈴子)を引取りに来るところから始まる。...

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厚生住宅について

昨日見た『サムライの子』に出てきた小樽市の市営住宅は、おそらく厚生住宅だと思う。 厚生住宅とは、戦後日本全体が急迫していた時代に、特に生活が大変だった海外からの引揚者や未亡人世帯等の戦争の惨禍で住宅を持たない人たちに提供した賃貸住宅である。 多くは、『サムライの子』でも出てきたように、元軍隊の兵舎等を活用したもので、きわめて劣悪な住環境だったが、背に腹は代えられず、多くの困窮世帯が住んだのである。...

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