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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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貴族の遊びからの民主化の流れのなかで

ソチ・オリンピックが行われているが、オリンピックとその元であるアマチュア・スポーツは本来、欧州の貴族階級のサロンの遊びだった。 大学の授業で習ったが、スポーツは本来プレイと同じ語源だそうである。 そうしたサロン間の国際的な交流の場として、オリンピックが始められたので、長い間、肉体的行為を職業としてする人、実態として下層階級の人間は、排除されていた。...

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『ハンナ・アーレント』

先週、黄金町のシネマ・ジャックで週末までだというので、『ハンナ・アーレント』を見に行く。 アルゼンチンでアイヒマンがモサドに捕まり、イスラエルに送られて裁判にかけられる。 これは非常に大きく報道されたもので、当時小学生の私でも知っていたくらいだ。...

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『役者・三国連太郎』

大雪で二日間、食事の買物以外に家にいざるを得なかったので、もう我慢できず再び高円寺に行く。 ドキュメンタリーフェスティバルで、『役者・三国連太郎』を見る。 2時間近いもので、その一部は以前松竹からも出て、見たことがあるが、随分と感じは違う。 上映終了後の監督・撮影の山崎裕氏の話では、全部で20時間くらいあったのだそうだ。...

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50年前にもあった

例の佐村河内守氏の偽作曲問題がまだいろいろと新たな事実が出ているようだが、要はマスコミや音楽評論家の言うことなどは信じてはいけないということである。4年前の『スイング・ジャーナル』が休刊という名の廃刊になったとき、私は次のように書いた。...

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『風立ちぬ』2本

宮崎駿のアニメではなく、昭和29年と51年に作られた実写版で、後者は言わずと知れた百恵・友和映画である。 前者は、昭和29年に東京映画で作られたもので、監督は島耕二、主演の二人は久我美子と石浜朗で、この時代のことになっているので、相当に無理な筋立てである。 また、百恵・友和映画も時代設定は、昭和17年から19年で、原作の堀辰雄からはかなり離れた内容になっている。...

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『次郎長意外伝・木曽の火祭り』

三木のり平の灰神楽三太郎シリーズの3本目で、映画化最後の作品、原作は正岡容、脚本は小野田勇らだが、永六輔の名もあり、監督は青柳信雄。 灰神楽三太郎シリーズは、前にも放映されたので見たが、これが一番面白かった。理由は、永六輔のセンスだと思う。...

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『映画プロデューサー風雲録』 升本喜年(草思社)

松竹のプロデューサーだった升本喜年氏の回想記で、1954年まさに松竹が映画『君の名は』の大ヒットで最高の時にプロデューサーとして入社した彼は、最後松竹映像取締役で退任するまで、主に大船撮影所で製作の仕事に当たる。 ただし、松竹は言うまでもなくディレクターシステム、監督中心主義なので、プロデューサーの権限はそう強いものではなく、監督中心にことが進んでいく。...

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『呵呵大将』 竹邑類(新潮社)

昨年12月に亡くなった竹邑類の初めてで、そして最後の本である。 推測するに、もう自分は長くないと思い、これだけはと1960年代中頃の三島由紀夫とのことを書いたのだろう。 呵呵大将とは、もちろん三島由紀夫の有名なばか笑いからきている。 高知から東京の大学に出てきた竹邑少年は、新宿のジャズ喫茶(モダン・ジャズのレコードを聴かせる喫茶店)KIIYOで三島に出会う。...

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『夜の道』

             BSで録画しておいた西部劇、1958年でカラー、テクニラマ方式で色彩が非常に綺麗である。 コロラド州で、鉄道の敷設が行われていて、列車強盗団一味から、鉄道建設の労働者の給料輸送を鉄道会社から依頼されたジェームス・スチュアートが主人公。 面白いのは、彼は以前は鉄道の保安官だったが、強盗団の片割れと疑われて首になり、以後はアコーディオンを弾いて金を得ていること。...

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『恋にめざる頃』

1969年に東宝で作られた酒井和歌子主演の映画だが、青春映画ではなく、かなり真面目な作品、それもそのはず戦前の成瀬巳喜男の名作『妻よ薔薇のやうに』のリメイクなのである。                     原作は、中野実の新派劇で、成瀬作品では、主演は千葉早智子、父親は丸山定夫、妻は伊藤智子で、丸山が家を出て同棲している愛人は英百合子だった。...

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「ワールドミュージック特別編」 ミュージック・ジャンクション30回記念

JASRACが開催してきたミュージック・ジャンクションが30回を迎えた記念として「ワールドミュージック特別編」が行われた。 前日からの大雪なので、「実施するのか」北中正和さんのところに電話すると、「やります。今リハーサルしています」とのこと。 3時過ぎに出たが、電車が遅れて会場についたのは5時すぎで、北中さんが、ピーター・バラカンさんと冒頭のトークをしているところ。...

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『東京五輪音頭』

1964年9月12日、つまり東京オリンピックの開催直前に公開された、便乗映画で、タイトルで三波春夫の『東京五輪音頭』に合わせて、浴衣姿の伯母さんさんが踊る。      話は、築地の青果の仲買人上田吉二郎と孫娘の十朱幸代、その使用人の山内賢、違う店の和田浩治、料亭の娘の山本陽子らの青春映画。...

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『とめてくれるなお母さん』

1969年に松竹で作られた一応は喜劇映画だが、ほとんど笑うシーンはない。 『男はつらいよ』の源公の佐藤蛾次郎を中心に、モデル出身の大野しげひさ、それに太っているだけの能なし男大橋荘多の「ちょこちょいトリオ」のデビューにして最後の作品。 監督は田向正健で、彼は他にも良い脚本を書いていたが、松竹大船では限界があったのか、テレビの脚本で活躍することになる。...

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バリも近くなりにけり

インドネシアのバリ島で、ダイビングに行った方が遭難したことが報道されている。何人かの人が無事に救助されたことは喜びにたえないが。 バリ島は、ダイビングの人気スポットとのことで、今は日本からの直行便もあるようだ。...

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『サン・アントニオ』

衛星劇場の洋画で大林宣彦の「いつか見た映画」、1945年に作られた能天気西部劇。 主演はエロール・フリンで、19世紀の末、テキサスでは牛泥棒が横行し、メキシコに牛の大群を追い込み、そこで持ち主に無断で売買してしまう連中がいた。 メキシコとの国境のサンアントニオにエロール・フリンがやってきて牧場主のために、牛泥棒連中を暴こうとして活躍する。...

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国立大学がないから良いものができたのだろうか

すでに旧聞に属することだが、ローザンヌ・バレー・コンクールで日本の若者たちが上位に入賞した。 以下は、暴論なので、その分割り引いて読んでもらいたい。 私も娘二人が町のバレー教室に通っていたので、よくわかるが日本でバレーほど、公的な援助がなくてやってきたジャンルの芸術はない。 歴史的に見ても、そのほとんどが、パトロン、関係者、両親等の支えによってかろうじて成立しているのである。...

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浅田真央選手の資質は

ソチ・オリンピック、女子フィギュア・スケートで浅田真央選手は、ショート・プログラムのミスで、メダルは取れず6位入賞になった。 その理由を、演技論的に考えてみたい。 演劇評論家の渡辺保さんがよく書いておられるが、日本の演劇、特に伝統的な演劇では、その演技術を「心か、型か」で考えている。...

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手本引きの元は、香道の札打ち(ふだうち)だろう

毎月に1回、横浜の朝日カルチャーセンターで、香道を習っている。 今回は、久しぶりに「札打ち」をやった。7種香で、1,2、3とまず三種のお香をきき、それを覚える。 そして、それぞれのお香が2回づつ、さらに最初に記憶したのではない、覚えていない別のお香が混ぜられて出てくる。 そして、そのお香がどれかを当てるもの。...

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『蝋燭の灯、太陽の光』

1930年代のアラバマの鉱山の炭鉱夫一家の話で、「炭鉱夫の娘」のロレッタ・リンは、ケンタッキー州だが、このアラバマにも石炭の鉱山がたくさんあったのである。 脚本は、テネシー・ウィリアムズで、彼の長編劇第一作で、セントルイスのセミプロ劇団のために書かれ、自伝でも評判は悪くなかったと書かれているが、共作者がいて、原稿も不明だったので、2004年に再発見されたもの。...

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『風流演歌隊』

録画したDVDを整理していたら、1937年のPCL映画、脚本小林勝、監督伏水修の映画があった。 明治20年、静岡から壮士になりたいと藤原釜足が、甥の岸井明のところにやってくる。           貧乏旗本の息子で維新後は零落し、長屋に住んでいて鶯の鳥籠を作り売って商売している。 こんなものが商売になるのか、藤原は思うが、美人の竹久千恵子が家に鶯が逃げてきて捕まえたと、鳥籠を買いにくる。...

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