『ある兵士の賭け』
近所のTSUTAYAに行くと石原裕次郎のところに並んでいたので、借りてくるが、非常につまらない作品だった。 石原プロでまったく当たらなかった作品の一つと聞いていたが、これでは仕方ない。 ともかく、米軍の兵士が座間から別府まで行き、児童施設に寄付をするという賭けのために歩くのだが、結局この兵士がなぜ、児童養護施設白菊園を援助するのか、理由が分からない。...
View Article『殿様ホテル』
江東区では毎年江東シネマフェステバルをやっていて、今年は『殿様ホテル』が上映されるというので、門前仲町まで行く。 この映画の前の司葉子とのトークもあった小津安二郎の『小早川家の秋』は完売だったそうだが、こちらはほぼ満席程度で、会場に入ると下村健さんの解説が終わるところだった。...
View Articleなぜひどいものまで、日本映画を見るのか、またなぜ作者たちのことを考えるのか
昔から、具体的には大学時代の途中から、私はなるべく日本映画を見るようにしてきた。 その理由は簡単で、洋画の場合、いくら内容をはじめテーマなど、自分では良く理解できたと思っても、どこか完全には判っていないのではないかと思うことが多々あったからである。 その監督の、その国での全体的な評価、立場、作者としての系譜などは、十分に理解できるとは思えないからである。...
View ArticleBSを作らせたのは小沢一郎?
昨年末にCSのJCOMのチューナーの更新が必要とのことで担当者が来て、JCOMのチューナーを交換していった。 それはユーチューブも見られるようになり良いのだが、年明けにBSを見るとなぜか衛星劇場が見られなくなったので、再度JCOMに来てもらい調べてもらう。 その時、「CSとBSは同じケーブルで、NHK等のBSがきちんと見られるのに、CSの衛星劇場だけが見られないのは不思議ですね」と言われる。...
View Article成人の日で
昨日は、成人の日だった。 横浜市では、その式に市長、議長と共に選挙管理委員会委員長が祝辞を述べる。 中で一番憶えているのは、もうとっくの昔に辞められているが、神奈川区から社会党で出ていた議員だった高地敏孝さんという方の挨拶だった。 彼は、「国労議員」で、確か学歴は鉄道講習所卒で、まったく高い経歴ではなかった。 だが、そのあいさつで高地さんは、...
View Article文化大革命とは何だったのか
NHKBSでアメリカにいる文革経験者のインタビューが放送された。 文革は、正確にはプロレタリア文化大革命と言い、中国の人は「プロ文革」とよく言っていた。 横浜市国際室にいたとき、中国担当で横浜市の友好都市上海市との交流もやっていたので、その間に中国へは4回行き、また毎年代表団を受け入れていた。 食事の時など、中国の人が苦々しげに回想して話すのは、プロ文革中のことだった。...
View Article『桜田門外の変』
安政7年に大老井伊直弼(伊武雅人)が水戸浪士等に襲われて亡くなった事件を描く2010年の佐藤純弥監督作品。 佐藤はいつも期待を裏切られるので見ていなかったが、横浜駅西口のTSUTAYAにあったので借りて来た。 水戸藩の関鉄之助(大沢たかお)は、薩摩藩と結び、攘夷決行を約していたが、薩摩に裏切られ、さらに安政の大獄で自宅蟄居させられる。...
View Article勝者の寛容 トランプに欠けているもの
来週に発足するトランプ政権だが、記者会見等を見ているとこの人には上に立つ者の必要な資質が欠けていると思う。 それは、勝者の寛容ということである。 勝って上に立ったとしても、その者は敗者を傷つけてはいけず、鷹揚に許すべきだということだ。 様々な問題はあったが、太平洋戦争後のアメリカが日本で取った政策、姿勢もかなり寛容なもので、それ故に日本占領は成功したと思う。...
View Article神山繁作品では
俳優の神山繁が87歳で亡くなったそうだ。 多数の映画に出ているが、初期の頃は不気味な役が多かった。 中でも、三島由紀夫主演、増村保造監督の『空っ風野郎』での、三島を射殺する殺し屋が忘れがたい。 ここでは三島は、自分の未来を予言するように、エスカレーターに落ちて真っ逆さまに上がっていくという壮烈な死を見せるのであった。 個性的な俳優のご冥福を祈る。...
View Article稀勢の里、白鳳、鶴竜の3人が敗れる
一昨日は、両国の国技館に大相撲を見に行った。 1時過ぎで、幕下上位だった。順調に取組は進み、十両、幕内になり、さらに後半になった。 稀勢の里は、同じ大関琴奨菊で、6敗の相手に楽勝と思えたが、一方的に簡単に負けてしまい、「やはり期待すると駄目だな」と思う。 だが、続く大横綱白鳳も高安に負けてしまう。やはり、どことなく痩せているように見えたが、気のせいだろうか。...
View Article結局、中小企業の親父 ドナルド・トランプ
アメリカ次期大統領のドナルド・トランプについて、いろいろ言われているが結局は中小企業の親父だろう。 不動産王というが、ただの大地主である。 一番よく似ているのは、北朝鮮の金日成である。あるいは、私がある局にいたときに付き合ったことのある小企業の社長だった。 そこは市と民間企業で共同で管理しているビルで、社長は民間企業の社長だった。...
View Article大相撲の巧みな演出
久しぶりに大相撲に行って、その巧みな舞台演出に大変感心した。 前に行ったのは、15年くらい前で、パシフィコ横浜の社長の高木文雄さんが席が取れるからと、升席で見たのだが、偉い方と一緒だったのであまりよく見ていなかったのである。...
View Article『八十八年目の太陽』
八十八年目とはなにかと思うと、この年、1941年は1853年嘉永6年に浦賀にペリーが来てから88年とのことだそうだ。 原作は高田保で、1940年12月に新国劇が東京宝塚劇場で上演したものの映画化で、1941年11月公開というまさに太平洋戦争直前の作品。 監督は時代劇が多いが、抒情的な作風の滝澤英輔で、彼は実は黒澤明に影響を与えていることは、彼の自伝に書かれている。...
View Article『青い夜霧の港町』
日活のアクション映画のような題名だが、1956年6月の松竹大船映画、監督は溝口健二の書生をしていたこともある、酒井辰雄。 船が修理のために横浜に入港し、船員の大木実は上陸から港を見下ろす丘に行き、墓参りする。 すると女が来て、この女性もお参りする。大木は元ボクサーで試合で相手を殺してしまい、ボクサーをやめて船に乗ったのだ。 女性の島崎雪子は、その男の妻だったのだ。...
View Article『ロッシュフォールの恋人たち』
古今東西に映画は多数あるが、これほど幸福な気持ちにさせる作品はないと思う。 いうまでもなく1967年のフランス映画で、監督はジャック・ドミー、主演はカトリーヌ・ドヌーブとフランソワ・ドルレアックの世界で一番美しい姉妹と言われた女優が、映画の中でも姉妹を演じている。...
View Article『花の幡随院』
歌舞伎の幡随院長兵衛を主人公とした時代劇大作で、長兵衛は先代松本幸四郎、妻が山田五十鈴、白井権八が津川雅彦、吉原三浦屋の太夫小紫が嵯峨三智子、そして故郷の因幡で強引に愛人にされたのが中村珠緒で、彼女だけが大映。 監督は、当時松竹京都の時代劇の筆頭監督だった大曾根辰保、脚本は鈴木兵吾などで、1959年の芸術祭参加作品。...
View Article途上国ほど最新の技術が入る アジア・ポピュラー音楽講座・西アジア編
昨日は、サラーム海上さんをお迎えし、「アジア・ポピュラー音楽講座・西アジア編」を南区しみん活動多文化共生ラウンジで行った。 初めに、92年に行われたウォーマッド92から、中村とうようさんの今回の趣旨の説明の後、パキスタンのカワーリーのヌスラット・ファテ・アリ・ハーンのライブを見た。...
View Article『アラビアの女王』
20世紀の始まり、イギリスに生まれ、富豪の娘として社交界にデビューするが、相手が見つからないベルは、叔父が赴任していたペルシャ(イラン)のテヘランの大使館に行き、そこの美しさに魅了される。 また、アラブの人が誇り高く自由に生きているのにも感動する。 イギリスは、当時から今日に至るまで強い階級社会であり、多くの人はその階級の中でしか生きられないようだ。...
View Article隠れた傑作 『昼下がりの暴力』
監督の野口博志は結構いい監督で、赤木圭一郎の「拳銃無頼帖」シリーズなど当たりはずれの少なく、昔から好きだったが、これは傑作だった。 新宿の暴力団のボス菅井一郎は、最近の落ち目から麻薬の取引をすることになり、部下の水島道太郎にやらせる。 菅井の女は筑波久子で、当時(1959年)は日活のトップ女優だったが、いかにも腰軽なギャングの情婦にぴったりで、実は水島とできている。...
View Article