古今東西に映画は多数あるが、これほど幸福な気持ちにさせる作品はないと思う。
いうまでもなく1967年のフランス映画で、監督はジャック・ドミー、主演はカトリーヌ・ドヌーブとフランソワ・ドルレアックの世界で一番美しい姉妹と言われた女優が、映画の中でも姉妹を演じている。
ドヌーブは、子供にバレーを、ドルレアックはピアノを教えているが、田舎町のロッシュフォールには飽き飽きしていてパリに行こうとしている。
そこの祭りに、旅回りのサーカスの一座が来て、そこのスターはジョージ・チャキリス。
また、ルグラン自身を思わせる作曲家でジーン・ケリーが出てくる。
冒頭から最後まで、町のすべての男女が踊っていて、またミシエル・ルグランのジャズが素晴らしい。
すべては寓話だが、そこには『シェルブールの雨傘』にも流れていた、男と女のすれ違い、青春の美しさと悲しみがあるのがミソだあると思う。
色彩とカメラが素晴らしいが、町中の建物は色を塗り直したそうだが、自由自在に動く撮影は、どのように撮ったのだろうかと思う。
この頃にまだハンディ・カメラはなかったので、複数のカメラを使って撮る、数少ないがフィックスの時はミッチェルで、移動撮影の時は特殊な撮影方法をとったのだろうか。
最後、すべてのすれ違いが収まり、ハッピーエンドに終わる。
娯楽映画はこうでなくてはいけないと思う。
私は、この映画は1978年に三鷹の映画館で見ている。
イマジカBS