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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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西河克己説の正しさを再確認

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元日活の監督の西河克己は、「メロドラマは、『君の名は』や『風と共に去りぬ』などのように、戦争や革命などの大事件がないと成立しない」と言っている。

先日見た映画『花扉』は、1961年で、戦争も革命もない時代であり、佐々木功と初名美香のメロドラマは、どこか時代遅れにみえた。

             

唯一笑えるのが、佐々木功の母の沢村貞子の演技で、元夫の上司だった人の妻三宅邦子がやっている料理教室で働いてゐるが、できる料理が「いなり寿司」だけで、お情けで雇ってもらっているとしている。だから、三宅邦子の娘の瞳麗子が、佐々木に惚れて結婚を願っていると、「なんとかしてくれよ」と佐々木に懇願する演技がまことに凄い。後に、料理上手で有名になる沢村に、いなり寿司しかできない女とするのはどうしたものなのだろうか。

全体に、ここで描かれているのは、テレビ界への反感であり、財閥の娘の初名美香が、番組のスポンサーの杉浦直樹の力でCMガールに起用されたのだとされている。

ともかく相当にひどい映画であり、1961年の松竹のレベルは、こんなものだったのかと思える作品だった。

 

 

 


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