『人間の条件・第三部』を見る。
本来、徴兵免除だったはずの梶の仲代達矢が陸軍に入隊しての虐待劇。
いきなり、植村謙二郎上等兵の新兵たちへのビンタ攻撃で始まる。
最大の被害者は、優柔不断な男の田中邦衛で、あまりの暴虐に耐えかねて、ついには便所で自殺してしまう。
上等兵の悪役には、植村の他、南道郎と内田良平。
南は、この映画の悪役で有名になり、他の戦争映画では必ず悪い上等兵となる。自衛隊友の会員でもあり、選挙に出たが落ちた。
この悪役3人に殺されてしまった田中邦衛の妻は、倉田マユミで、きつい感じが大変にぴったり。
底なし沼にはまり込んで死んでしまう南道郎に対し、助かった仲代が陸軍病院で知り合う看護婦が岩崎加根子で、やはり大変に美人。
この二人の仲を憎悪するのが、婦長の原泉で、大変に怖い。だが、この人は、日本における女性モデルの最初の方なのである。
そして、もちろん梶の妻の新珠三千代。
夜、仲代の前で裸になるシーンがあり、ここはテレビでの加藤剛と藤由紀子のものでも、強烈に憶えているところだった。こんなことはありえないと、当時も思ったが。
ただ、新珠三千代版では、仲代に抱かれる女優は、新珠三千代よりもやや太っていて、吹き替えだと思える。