22年前の9月といえば、9・11だが、このとき私は脳梗塞で病院に入院して2か月だった。
病院の時間になれていて9時過ぎには寝ていたので、事件はまったく知らず、翌朝起きると大騒ぎになっていた。
「ほんとうに映画みたいだ」と思い、また1983年にあのビルの20階で、ランチをしたことも思いだした。
大変に脆弱な構造のビルで、レストランまで地下の地下鉄の振動が伝わってくるのだ。
また、建築の専門家に聞くと、あのストンと落ちて崩壊したのは、全体がぎりぎりに作られていて、また完全に均衡を保たれていたからとのことだそうだ。
さて、この9月に起きたのは、古今亭志ん朝の急死と新宿歌舞伎町のキャバレーの火災だった。
私は、当時落語への興味を失っていたが、志ん朝の死には本当に驚いた。
あとで、関連する本を読むと、晩年はかなり異常な行動があったようだが、それも立川談志の「騒動」に対する志ん朝なりの反論だったのかもしれないと思うと、談志の罪は重い。
キャバレー火災だが、当初は死者の名が出ていたが、すぐに出なくなった。
やはり、ああいう場所での死は不名誉という考えがまだ日本にはあるのだろうか。
戦場で死ねば、名誉の戦死なのか、と思ったものだ。