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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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『座頭市・海を渡る』

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あまりに暑いので、家で映画を見る。予告編はよく見たが、テレビでは見たことがない。

              

見ていて気付いたのが、馬喰頭の山形勲らが、お吉(安田道代)がいい女であることが、盲目でどうして分かるのか、など差別語がやたらに出てくるからだろう。

さらに、庄屋の三島雅夫に至っては、「病にはあんまが一番良い」などといつものニコニコ顔で言うのだから、うれしくなってしまう。私は、この善人風で、実は一番の悪人という俳優が大好きなのだ。

冒頭で、四国に渡る船の中で、田中邦衛が仕方話をして、船が大揺れして、その際にスリが商人の財布をする。

そのスリが居直ると、座頭市が、悪事が二度とできないように右手首から先を切ってしまい、手が天井から繋がった金具を握っている。こういう新たな殺陣の手は、勝新の周囲の人間が工夫して考えたのだと思える。だから、勝新の銀座等での豪遊も、こうした人への報酬だったはずで、人件費をケチる大映への方替わりだったと思うのだ。

大きな川の木橋に通りかかると、いきなり井川比佐志が現れて、市に斬り込み、二人は欄干を突き破って川に落ち水中で、座頭市が井川を殺す。

そして、ある村に行き、部屋に通されると、いきなり安田が、市の肩を切りつける。

たしか、予告編では、ここが強調されて、「市が切られる」となっていたように思う。

要は、村の最大の産業のスイカ畑を山形が横取りしようとしていて、最後は座頭市との戦いになる。

安田は、恋人の東野孝彦らを説くが、誰も乗らず、三島は、どっちのなっても良いと冷淡。

山形が、非常にむさくるしい馬喰姿で、褌姿を見せるのがセクシーである。

また、安田道代が非常に良いが、勝新は、相手が良いと燃えるので、ここではかなり燃えて演じているように見える。要は、「役者バカ」なのだ。

監督は池広一夫で、全体に感じが違うのは、音楽が伊福部昭ではなく、斎藤一郎だからだろうか。

時代劇専門チャンネル

 


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