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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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『事件記者・影なき男』

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ユーツーブで、作曲家小倉朗をさがしていたら、テレビの『事件記者・影なき男』に当たった。

これは、1958年7月に放送されたもので、作は島田一男、演出は若林一郎である。

話は、まず宍戸錠が出てきて、闇ドルを骨董商の笈川武夫から買う。

そのドル札は、実は偽物で、金融業者の久米明が、元印刷工に華族の家の地下で作らせたものだった。

久米は、その印刷工を拳銃で殺してしまい、新宿の神社に放置させる。

そのとき、印刷工のズボンの中にドル札が隠されいたことから、偽ドル作り一味が割り出される。

そして、ついに久米ら一味が捕まるという単純な話。

だが、ここには後の刑事や記者のドラマの元がある。

まず、記者連中が屯し、いろいろと会話しているところ。坪内美詠子の居酒屋とそこの女性と記者たちの恋愛模様。ここでは滝田祐介と川口知子が婚約していた。

いろいろと変なところはあり、久米が拳銃を発射するとすごい煙が出る。また、電話が何度もなるが、その音が異常に大きいことなど。

宍戸は、まだ豊頬手術前である。

              

川口知子は、ボーイッシュな可愛い文学座の若手女優だったが、恋人と自殺したそうだ。以前、私は次のように書いた。

用があったので野毛の中央図書館に行き、1969年1月の新聞を見る。1月20日の朝刊に、川口知子が石油ストーブの不完全燃焼による中毒で死んだことが出ていた。この日は、東大の安田講堂等の封鎖が機動隊によって排除された日の翌日であり、新聞はそのことばかりだった。そういう日だったので、私の記憶にもほとんどなかったのだろう。さらに記事によれば、田村秋子のいとこだったとある。
そういえば、小柄で丸顔で、可愛いルックスは、新劇の大女優で、文学座の創立者の一人でもあった田村秋子に似ている。わずか33歳だったそうだ。もし、生きていれば文学座の重要な女優になったのだろう。


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