山梨から、鎌倉の山形勲の家に、女中さんとして浅田美代子が出てくる。
日本には、女中映画があり、左幸子の『女中っ子』が有名だが、若水ヤエ子のシリーズもある。
女中は、今では差別語だが、元は「お女中」として、尊敬語だった。
山形家では、一人娘の̪̪篠ひろ子が、妊娠していて家を出てゆくところで、山形は、まじめでケチで、相当に古臭い親父で、今にはテレビもなく、掃除、洗濯もすべて手でやるという凄さ。
例によって二階を貸していて、そこには派手なジャネット・八田が住んでいる。
彼女は、クラブの会計係とのことだが、異常に高価な服を沢山持っていて、その実態は・・・。
鎌倉の寺でスリに金を掏られた山形は、それを取り戻そうと、平和島のボートレースに行く。
そこで、警視庁スリ係の橋達也に会うが、山形は、かつてはスリ担当の刑事で、橋の上司だった。
そこにジャネット・八田が現れる。彼女は、女スリだったのだが、橋が、彼女に惚れてしまう。
この３人の関係は、どうなるのかと思うが、これはあまり深まらない。
だが、山形と橋が飲み屋に行くと、亭主は津坂匡晃だが、そこに女将の篠ひろ子が現れる。
この映画は、浅田美代子主演ではなく、むしろ山形勲の主演である。
一応西城秀樹も共演なので、クリーニング屋の青年として出てくる他、テレビの映像もときどく挿入される。
そして、篠ひろ子に赤ん坊が生まれて、最後は山形が、津坂と篠夫妻と和解し、ジャネットはスリを辞めて、橋と一緒になることが示唆される。
筋は、古臭いが、テンポが早くて面白い。