12日の対巨人戦で、阪神の投手村上が7回まで完全に巨人を押さえていたのに、8回から交代させたことが議論になっている。
「村上に最後まで投げさせて、完全試合をやらせるべきだった」と。
だが、私は、このような選手を思いやる「温情」が阪神をだめにしてきたと思うのだ。
以前、真弓監督の2010年10月にも、にもこんなことがあった。
BSで、阪神、横浜戦を見ていた。投手の久保が良い出来で横浜を1点で抑え、3-1でリードして9回を迎えた。藤川が出て来ると、解説の鈴木啓次が,「藤川が抑えて2死になれば、矢野が出てきて受けるだろう」などと言っていた。なんてつまらないことを言うのか、と思っていると、その性か、藤川がストライクが入らなくなり、連続4球になる。 「これは、矢野の引退を飾ろうとする気持ちが逆になっている」と言っている。甲子園での阪神戦は今日が最後なのだ。4番の村田なので、「ここでホームランが出たら面白いな」と思うと村田が3ランで、4-3の逆転負け。矢野の引退記念云々は、鈴木が勝手に言っていることと思っていたら、今朝の新聞にも、矢野の引退記念のことが書かれている。と言うことは、球団の広報が、「リードして2死になったら、矢野とバッテリーを組ませる」と発表したのだろう。なんと馬鹿な連中だろう。俗に「野球は、筋書きのないドラマ」と言われる。だが、勝手に阪神は、筋書きを書いている。「涙のラスト・バッテリー」とかしたかったのだろう。ドラマは、真剣に勝負を争った結果に出てくるもので、はじめから出来の悪い劇を仕組んでも上手くいくわけがない。こういう低俗なドラマを考えている暇があるなら、どうしたら勝てるか考えるのが先だろう。こんなことでは、完全試合投手を8回で下ろす「非情の采配」の落合中日に勝てるわけがない。私は、東京の人間でありながら、50年近く阪神ファンである。クライマックス・シリーズがどうなるか分からないが、こんな程度の低い球団は、当面優勝しなくて良い。真弓が監督の時代は、優勝なしが良いと思う。この球団は、どこか考え方が間違っていると思う。矢野と藤川の最後のバッテリーを見せるのが、ファン・サービスではない。勝って、優勝戦線に残っていくのが、本当のファン・サービスである。日本シリーズは、中日、ソフトバンクで決まりだと思う。最近の矢野、金本もみなそうで、チームの勝利より、選手への温情を優先してきて、一緒に喜ぶという雰囲気だった。私は、こんなことでは優勝はとても無理と思って見ていて、その通りにいつも優勝を逃してきた。だから、今回の岡田の判断は、「選手への温情よりもチームの勝利が大事」ということを全選手に示したのだと思う。
それが、正しいかどうかは、最後で分かることだが。