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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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『忠臣蔵外伝四谷怪談』

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1994年の松竹映画、監督は深作欣二、主演は佐藤浩市、高岡早紀、荻野目慶子、津川雅彦など。

赤穂藩の浪人の民谷伊右衛門は、湯屋で、湯女の高岡に惚れて一緒に破れ長屋に住む。

高岡の巨乳がすごくて、すでにぶらぶらだが『四谷怪談』史上最高の巨乳だと思う。私は、1980年代にスパイラルホールで、内田裕也のイベントが行われたとき、出てきた高岡を見ている。当時は高校生くらいで、その体の大きさには驚いたが、レオタード姿だったので、巨乳とは分からなかった。

琵琶弾きの佐藤は、まるで火野正平らと組んで「ロックミュージシャン」のように門付けで生きている。和田薫の音楽は良い。

                    

この『四谷怪談』は、実は『忠臣蔵』の外伝で、私は高校生の時から知っていたが、それは日本史の荒久保先生の教えによるものだった。

「武蔵小山には、荒久保犬がいる」と言われ、犬に似ていた荒久保先生の授業の半分以上は、歌舞伎の話で、「おんぼ堀には、戸板返しの戸板は流れて来ない」と言っていたが、小幡欣二さんの調査では、きちんと流れてくるのだそうだ。

不逞の武士からの災を助けられて、伊藤家の当主石橋蓮司の孫娘の荻野目慶子は、伊右衛門に惚れてしまうが、石橋、侍女の渡辺えり子らのメークは異常で、ほとんど悪乗り的である。

伊右衛門に殺されてしまう宅悦の大坊主の六平直政も非常に良い。清水一学が蟹江敬三と、役者はほとんど昔のアングラ劇である。

石橋蓮司らの演技の狂気は、この映画全体を覆うもので、黒澤映画のように異常に雨が降り、風が吹く。

最後は、もちろん吉良屋敷への討ち入りとなり、吉良が田村高広とは渋い。

某雑誌で、「『忠臣蔵』と『四谷怪談』を合体させるとは大胆」という評があったが、この人は元を知らないのだろうか。

衛星劇場

 

 

 

 


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