雨で、外に出られなかったので、一日家にいて、最後にこの問題作を見る。
日本と違い、アメリカには舞台から映画に移行する人が多く、監督でもエリア・カザン、マイク・ニコルズなどもそうだが、この映画の監督シドニー・ルメットもそうである。
構成は、いろいろと複雑にしているが、話は、不動産会社の会計担当のアンディは、社の金を使い込んでいることから強盗を計画する。
それは、なんと自分の両親がやっている宝石店で、気弱な弟のハンクにやらせることにするが、彼は自分ではなく友人の男ボビーに店に侵入させて実行させる。
だが、当日、店には彼らの実の母親が偶然に来ていて、犯人と拳銃の撃ち合いになって、二人とも死んでしまう。
そこから二人と家族の悲劇が進行してゆく。
ルメットの演出が上手くて、役者も最高である。
父親も、元は宝石商だったので、宝石の闇売買をする男のところに行くと、息子のハンクの名刺を見せられる。
店主は言う、「すぐに息子と分かったよ、あんたと同じだよ」と言われてしまう。
父親は、息子二人の後を付けると、ハンクは、ボビーの妻の兄というヤクザな男に脅迫されていて、fy二人は、かれらの家に行く。そこで、ハンクは、ボビーを撃ち殺し、アンディーは、妻に撃たれてしまう。
アンディーが入院している病室に父親は、侵入し、彼の心臓機器を外して、枕を押し付けて殺してしまう。
なんともすごい話で、フィクションだが、なんともやりきれないと思える。
父と子との対立という意味では、アメリカ映画に多くある作品だが、ルメットの演出力がさすがと思える。
ザ・シネマ