先日、筑波久子主演の映画『都会の怒号』を見た。
彼女は、初期日活で一番のスター女優で、いわゆる「肉体女優」第一号だった。
だが、大して肉体は露出しておらず、実際に彼女は、お勉強のできるまじめな人だったようだ。
私が、彼女を最初に見たのは、大岡昇平の小説の映画で川島雄三監督の『花影』で、当初は山岡久乃の店の女給の一人。
だが、弁護士有島一郎の金で店を出して、山岡や池内淳子らを裏切る卑劣な女の役で、じつにぴったりに見えた。
この頃で、彼女は日本の映画界に見切りをつけて、渡米し大学で映画を勉強する。
そして、プロデューサーとなり、映画『ピラニア』で大成功した。
なかなか頭の良い女性だと思う。