1973年の東宝作品で、言うまでもなく大ヒットした。
これによって東宝は、1960年代中頃からの混乱を抜け出して、大作路線に転換する。
同時に、スタッフ、キャストの大幅なリストラを実行し、三船敏郎の三船プロなどが、それを受け入れ、本格的にテレビ映画へと移行してゆくことになる。
現在、CS等を見ると、結構充実したテレビ映画があるが、これはそうした映画界のリストラの結果だったともいえるだろう。
話は、小松左京原作のSFだが、本人の他、物理学者の竹内均なども出てきて、作品にリアリティを与えている。
この映画によって、普通の人は、今では常識のプレート・テクトクス説を知ったと思う。
ここで、すごいのは、物理学者の小林桂樹の造形で、ほとんど異常に近い表現で、最高である。
多くの俳優が出ているが、河村弘二などと言う人が出ているのがうれしい。大久保正信さんは、タイトルに名があったが、どこに出ているのか分からなかった。
滝田祐介はじめ皆が、タバコを大いに吸っているのは時代である。
総理大臣は、当然にも丹波哲郎だが、意外にもそうは演説していない。
いしだあゆみと角ゆり子の美人女優を出しているのは、さすが森谷司郎監督。
角ゆり子は、このでは謎の老人で日本の黒幕の島田正吾の姪ということになっていた。
この後日活の神代辰巳の『嗚呼、女たち猥歌』では、意外にもトルコ嬢になるが、それで女優引退したようだ。
列島が沈没して、日本人は世界に離散するが、果たして各国が受け入れてくれるかが、最大のテーマだろう。
森谷は、これ以降大作監督になり、早く消耗したのは、実に残念なことだった。
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