1960年、新東宝映画、監督は渡辺祐介の初作品である。
セーラー服姿の女子高生たちが、校舎からいっせいに町に遊びに出て、喫茶店に入り、二階に上がると、鑓りてのような女がいて、
「いつまでそんな格好しているんだ」と言って着替えさせる。
これは、少女売春をさせるための衣装なのだ。
ボスは、御木本伸介で、いつもパイプでタバコを吸っている。
主人公の少女は、星輝美で、相手のチンピラは鳴門洋二で、二人は夫婦である。
だが、ある日、御木本から「人事異動!」が宣告されて、星は御木本の妻にされる。
まるで昔の巨人軍みたいだが、ここは「売春株式会社」なのだろうか。
御木本曰く、「いつまでも同じだと安住して稼がなくなる」とのこと。
場所は、主に新宿で、歌舞伎町あたりがロケーションされているのは、貴重な映像である。
そこに、昔の御木本の仲間の天知茂と小畠絹子がやってくる。
天知と小畠は、恋仲であったようだ。
この天知と小畑、星と鳴門が対比されるのは、まるで大島渚の『青春残酷物語』の桑野みゆきと川津祐介のコンビみたいで、美人局もやる。
さらに、宇津井健が現れるが、彼は堅気になって、河口湖で貸ボート屋をやっている。
星と鳴門は、一味を抜け出そうとし、宇津井を頼って河口湖に行く。
勿論、御木本が追ってくると、そこに天知茂も現れて、御木本と決闘して天知が勝ち、さらに宇津井が天知を拳銃で殺して、「もう一度ムショに行ってくる」と言って去る。
渡辺祐介は、やはり新東宝の監督で、大蔵貢イズムで、勧善懲悪なのだ。
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