昨年の今頃亡くなった友人の下川博とは、芝居だけではなく、いろんな企画を一緒に考えたことがある。
と言うのも、彼は大学院を出た後、すぐには定職につかなかったので、その間、いろんな企画をさがしていたのだ。
私も、彼が持ってくる企画に一緒に考えたことがいろいろあった。
その一つが、アメリカの某化粧品会社が、日本で新製品を発売する時のキャンペーンだった。
全国キャンペーンで、「金になる」とのことで、知り合いの広告代理店の人から来たものだった。
1週間、二人で寝食を共にして、いろいろと考えた。
最後にできたのは、「メークアップ・ショー」だったので、ある若い女性の数か月を描くというもので、上京、恋愛、結婚等を経るもので、最後はファッションショーにして、結婚式に、だった。
企画と筋を出したが、数週間後に返事が来て、残念ながらダメだった。
代わりに赤坂のレストランでかなり高級な食事を共にした。
その後、採用されたメークアップ・ショーを実際に、横浜の関内のセンタービルの1階で見た。
それは、ラジオのDJの進行で、ショーとバンドのライブがテレコで挟まれるものだった。
「こんなものでいいのか・・・」と思ったが、要は予算がないのだなと気づいた。
これなら、アナウンサーとバンド、そしてモデルの出演料だけで良いからで、大変に安上がりなのだ。
私たちのでは、いろいろと予算がかかるわけで、ボツになったのだろうと思った。
この時のバンドは、無名時代のサザン・オールスターズだったことが後で、分かった。
ちなみに、桑田圭祐は、下川博の高校の後輩で、鎌倉学園高校である。