中学3年の3月、当時一番仲の良かった同級生の仁多見弘一君が、
「今までに見た映画で、最高の作品だ」と言ったので、たぶん3月の終わりに一緒に蒲田で見た映画。
その時も良いと思ったが、中平康作品では、ベストだと確信する。
まず、脚本が馬場当、音楽は黛敏郎、美術は大鶴康弘(唐十郎の父親)で、制作はなんと大塚和である。
これを見ていると、吉永小百合も、浜田光夫も芝居が非常にうまいことに感心する。
なぜなら、彼らは、二人とも子役上がりで、演技の経験があるからで、芝居が大変にうまい。
特に、浜田光夫は、受けるのも攻めるのも両方の芝居が良い上に、タイミングも是っ妙である。
話としては、これは吉永小百合に引きずられる話で、ある意味で、彼女は女性ストーカーである。
ストーカー小百合に魅入られた浜田光夫の悲劇とも言えるだろう。
ここには、立派な駅舎、待合室などの横浜駅東口の貴重な映像、渋谷の木造の東横線ホーム、246号線沿いにあったリキ・スポーツ・パレスなどが出てくる。
BS12