1970年代、リンダ・ロンシュタットは、日本でも人気で、私も3枚LPを持っていた。
ただ、特に強い感銘は受けていなかったが、私の周辺には、大好きな連中もいた。
私の盟友の下川博がそうで、彼は1979年春の武道館公演にも行き、大感激していた。
その武道館では、女優として一緒にやったこともある、伊藤比奈子も観客にいたそうで、一般の人気はすごかったわけだ。
今回、この映画を見て、「彼女はライブで実力を発揮するシンガーである」ことがよくわかった。
その分、LPではわからなかったのも無理はないなと思った。
彼女のライブの迫力を示す挿話がある。
アリゾナのツーソンからロスに出てきて、いろんなところで歌っていた時、ジャクソン・ブラウンのツアーの前座に出た。
リンダは、そう乗り気でもなかったが、ツアーで前座の彼女の方が、メインのジャクソン・ブラウンより大いに受けて話題になったとのこと。
彼女は、ドイツ系の移民だが、メキシコの血も入っているとのことで、さらに幼いときに聞いていたジャズやカントリーの影響があるが、一番大きいのはカントリーだろう。
カントリーのエミルー・ハリスやドリー・パートンとの共演は、本当に楽しんでいるように見える。
ブロードウェイのオペラや、ネルソン・リドル編曲のジャズも立派なもので、すごい。
多くの名声を得た彼女だが、近年名を聞かないのは、2000年代に入って、パーキンソン病になったからだそうだ。
パーキンソン病は、男に多い病気で、まじめて几帳面な人がなりやすいとのこと。
昭和天皇は、パーキンソン病の典型である。
私の知合いでも、パーキンソン病の人が二人いたが、やはり真面目できちんとしていた方だった。
以前、妻からは、「その点、あんたは絶対にならないわよ」と太鼓判を押されたこともある。
黄金町シネマジャック