先日、『命果てる日まで』を見ていて、1960年代後半は、松竹も女優が枯渇していたなあと思う。
この作品には、桑野みゆき、岩下志麻、倍賞千恵子が出ているのだが、実は脇に廻っていて、中心は香山美子と生田悦子、さらに生田の妹で尾崎奈々なのだ。
このうち、香山は歌手の三条正人と結婚して引退し、生田は、テレビの『キン・ドン』での喜劇役割に行ってしまい、映画には出なくなってしまう。
尾崎は、松竹内だが、京都の撮影監督石原興と結婚して、これまた引退してしまう。
その結果、70年代に松竹の看板女優になるのは、元大映の松坂慶子となるのだ。
実に、不思議というしかないが、結局スターは容易には作れないと言うことなのだろうか。