1942年の東宝映画、監督は渡辺邦男で、弁慶は岡譲二、牛若丸は髙峰秀子、小式部は山田五十鈴、平清盛は高堂国典。
弁慶は、京の都が荒れているのは、清盛の悪政の性だとし、それを払うために千本の刀を集めようとしている。
彼は、夜盗のような連中と荒寺に住んでいる。言ってみれば梁山泊と言ったところか。
平清盛は、酒池肉林に耽っていて、多数の白拍子が踊っているが、タイトルには古川ロッパ舞踏団となっている。この映画は、ロッパ劇団の演目だったのだろうか。
清盛は、内侍に惚れていて、彼女はそれが嫌で、六波羅を出て、弁慶のところに来る。
この映画が面白いのは、10分ごとくらいに歌や踊りが入ることで、
まるで「10分間に一度セックスシーンを入れる日活ロマンポルノみたいだな」と思う。
この辺が、渡辺邦男映画の魅力の元なのだろうか。『明治天皇と日露大戦争』も、諸所に詩吟が入っていたことを思い出す。
山田五十鈴は、弁慶が清盛の刀を強く所望していることを知って、六波羅にもどり、清盛に身を任せての清盛剣を弁慶に届ける。
そして、山田五十鈴は、高堂国典の前で踊り狂う。
もちろん、最後は京の五条の橋で、髙峰秀子の牛若丸に会い、負けて「この方と世直しをする」と決意する。
そして、牛若丸・義経と弁慶らは、源頼朝の挙兵に呼応して兵団を率いて出撃していくところで、終わる。