熊男は出てくるが、裸姫などどこにも出てこない。
大蔵貢得意の、羊頭狗肉の題名である。
人形佐七は、ここでは中村竜三郎で、若山富三郎ではない。
佐七の他に目明かしで、小畠絹子がでてくるが、彼女の時代劇は珍しいと思う。
江戸で、春日屋などの商人が次々と殺され、女中の隅田川への飛び込み事件等がある。
熊男は、浅草の非人部落にいるというので、佐七も行くが、犯人はいない。
いろいろとあるが、最後悪人は、松平藩の家老の細川俊之であるのがいい。
その藩主は、ここだけ出てくる嵐勘壽郎で、さすがの貫禄。
監督の山田達雄は、アラカンの座付き監督的だったこともあるようだが、殺陣のシーンなど結構スピーディーに撮っている。
最後、細川以下の悪人一味との立回りは、なんと横浜の三渓園の園庭内だった。
映画で三渓園が使われるのは、非常に珍しいと思う。