1970年4月の大映京都作品、大映単独としては最後の方で、2ヶ月後には日活との共同配給のダイニチ映配になる。
時代は、大正末期あたりで、サイレント映画館が出てくるのは、勝新の趣味だろうか。
賭場を荒しで金を手に入れている勝新と藤岡琢也と酒井修の3人組み。
このトリオは、面白い組合わせだと思うが、大映撮影所が崩壊したので、2作目はなし。
ある賭場の売上げ金を横取りして、勝新らは、そのカバンを煉瓦の竈の中に隠すが、数日後に探すとないので、
さらに賭場荒しをするはめになる。
土地の組は、高木丈二が代貸しで、善玉、悪玉は成田三樹夫や伊達三郎らで、そこに勝新を狙う殺し屋の天知茂がやってくる。
彼の女は、水野久美で、もちろん、勝新ともいい仲になる。
酌婦で野川由美子も出てくるが、彼女は日活にもよく出ていたが、この頃はナベプロに属していたとのことだ。
最後、高木、水野が殺されて、悪の巣窟の成田らの組に、勝新と天知は一緒に殴り込みにいくが、東映の「唐獅子牡丹」のように主題歌はバックにながれないのは、勝新の誇り、
「東映とは違うぞ」だろう。
もちろん、勝って3人組は、どこかに去って行くが、二度と画面に出ることはなかった。
大正時代の花街の美術などは、凄いが、全体に弾むものがない。
森一生としては凡作の方だろうと思う。
衛星劇場