テレビを見ていると、キセルの語源について林先生が説明していた。
今は、カードなので、キセルもやれなくなったと思う。
大学の劇団の先輩で、キセルの常習者の二人がいた。
もう二人とも亡くなっているので、書いてよいと思うが、OとYだった。
Oは鎌倉に住み、Yは茅ヶ崎だった。
二人が、高田馬場や新宿から帰るとき、Yはきちんと定期を持っているのでなにもない。
ところが、Oは定期は持っていないので、まず最低区間の切符を買う。
そして、品川から東海道線か、横須賀線に乗り、大船当たりに来ると、車検に来た車掌にYが鎌倉までの変更の切符を買う。
そして、鎌倉でYは、その切符で降り、OもYの定期を見せて方向変更の切符を買ってそれで出る。
劇の公演のある秋の時期には、
「ほとんど毎日やっていたというのだから、車掌は分っていたのではないか」とYは良く言っていた。
Oは結婚して、子供もいたが、40代で病気で死んでしまった。
Yは、数年前に茅ヶ崎の海に飛び込んで死んだとのことだ。
冥福を祈りたい。