阪神が連勝し、巨人が負けた気持ちの良い夜にCSで放映されていた『大魔神』を見る。
監督の安田公義は、私が、当時森一生とならび大映での贔屓で、あるとき偶然に川崎の場末の映画館で見た安田道代主演の映画『殺人者』で、感動し驚いたのである。
戦国時代のある藩で、流れ者から成り上がった家老の五味竜太郎が、藩主を殺し、藩主に従う家来たちも根絶やしにしてしまう。
五味につくのは、杉山昌佐久や遠藤辰雄のように、見るからに悪人顔の残虐非道な連中。
藩主の子、息子と娘は、正義派の藤巻潤によって逃れて、山中の巫女が住む家に匿われて10年が過ぎる。
二人は、青山良彦と高田美和に成長している。青山は、花柳流の家元の人間で、数年間に騒がれた花柳流のお家騒動では顔が見えたが、元家元になっているようだ。
五味らは、百姓を使役して砦を作り、さらに京へ攻め上ろうと画策している。
それに邪魔な青山らの旧藩主勢を根絶やしにしようとし、まず藤巻を捕まえ、さらに彼を逆さ吊り荷にして青山をおびき出して捕まえてしまい、二人を処刑しようとする。
その時、山に封印されている土偶の魔神の足に、高田の願いの涙が落ち、魔神は生命を吹き返して、魔神となって処刑を蹴散らし、五味らを殺す。
この辺の魔神の動きも凄いが、演じる橋本力の表情も良い。
最後、再び高田美和の願いによって魔神は、土偶に戻ってめでたしめでたし。
久しぶりに見て、大映のカメラと美術の良いのに感心した。
魔神の象は、京都の太秦のスーパーの前に鎮座されている。
日本映画専門チャンネル