皇室の正月の行事として歌会始があり、高校の国語の教師だったKは、批判的だった。
「下手な歌ばかりだ」と言っていた。
まあ、そうだろうが、私は、この歌会始は良いことだと思う。
言ってみれば、これは『紅白歌合戦』と『日本レコード大賞』を併せたような行事である。
これを鎌倉時代あたりから、日本の皇室がやっていたことは素晴らしいことだと思う。
つまり、皇室は、武力ではなく、文化の持つ権威で国を統治していたわけで、すごいことだと思う。
昔、インドのサタジット・ライの映画で、インドのある藩国がイギリスに合併されようとする。
その時、藩国王は、「イギリスの女王は、作曲ができるのか」と聞く。
その国では、「王は作曲ができないとまずい」ようになっていたのだそうだ。
イギリスの女王が、できないと聞き、藩国王は、悲しげな顔だったように憶えている。
アジア等の王の存在は、そうした文化的な権威からくるものだったのだ。
日本の天皇制も、明治以降は戦争と侵略の象徴になってしまうが、それは日本の伝統から見れば例外で、短い時期だったのだ。
このように文化的権威として天皇制が存続していくのは、私は良いのではないかと思っている。
その意味では、早く愛子様を天皇にできるように法的制度を整えるべきだと思うのだ。
なんで天皇が女性ではいけないのだろうか、実に不思議である。