何度も見ている映画だが、やはり面白い。
私が、早稲田の映画研究会に入って、その活動には大いに不満だったのだが、誰に言われたか忘れたが、
「鈴木清順と川島雄三は見ておけよ」と言われたことには、最大の感謝を表すものだ。
これは、入学した1966年の作品だが、見たのは記録では翌年の5月で、新宿国際だった。
原作は川内康範だが、鈴木が相当に替えていると思う。
今回見て、『東京流れ者』を松原智恵子が歌うシーンがあるが、これは彼女が歌っているようだ。
ラストの『ブルーナイト・イン・アカサカ』は、鹿乃郁子のもののようだが。
この映画が成功しているのは、渡哲也も松原智恵子も、お人形さん的な美男美女だからだと思う。
マンガ的で、パロディ的な作品は、このお人形さん的な主人公によって成功していると思う。
しかし、この作品は東京流れ者ではなく、横浜、東京、山形、佐世保と全国流れ者である。
ただ、ここでの佐世保は、本当の佐世保ではなく、横須賀で撮影されている。
日活も、佐世保までスタッフ、キャストを行かせる余裕がなくなっていたのだ。
また、この後に、鈴木清順が『殺しの烙印』で、日活を追放されてしまうことを予言したような作品だとも言える。
チャンネルNECO