やっと「2020東京オリンピック」が終わったが、これほど感動のないのもないだろう。
私が、最初にオリンピックに接したのは、1956年のメルボルンオリンピックで、テレビはなかったので、ラジオだった。時差の関係か、朝早く起きてNHKを聴いた。短波放送だったので、フェーシングで音が大きくなったり小さくなったりした。
次は、ローマオリンピックで、ここではフィルム再生が中心だったが、なかには短波による中継放送もあった。
信号が少ない性か、ガクガクと分解写真のように映像が動くものだったが、それでも短距離の決勝などが放送されたので、見た。
次は、1964年の東京なので、テレビで見た。
これが、日本の映画界に与えた影響は非常に大きく、これ以降テレビに映画は負けることになる。
「実際に起こっている本当のドラマ」としてのスポーツ中継の面白さに、作り物のドラマの映画は負けたのだ。
また、この時期を境界に、ニュースは映画からテレビになってゆく。意外にも映画ができて以来、ニュースは映画で最も人気のあるジャンルだった。
日本でも満州事変から始まる中国での戦争のニュース映画は大変な人気で、大都市には、なになにニュースという映画館が出来たほどだ。
前後も、劇映画の前にニュースは上映されていたが、テレビの速報性に負けていく。
1964年のメキシコオリンピックの時は、日本のテレビはカラー化に向いたのだ。
そして、1972年の札幌オリンピックでは、なんと言ってもジャネット・リンで、アメリカ娘の微笑みには参ったものだ。
今回は、最初から無意味なオリンピックで、やはり最初がおかしいものは、最後までひどかった。
東京オリンピック(五輪)・パラリンピック招致をめぐる贈賄疑惑でフランス司法当局の捜査を受けている竹田恒和・元招致委員会理事長の弁護費用が2020年度までの3年間で約2億円に上り、その全額を竹田氏が19年6月まで会長を務めていた日本オリンピック委員会(JOC)が負担していることがわかった。JOCは19年3月の理事会で費用負担を決議しており、今年度以降も、捜査終結まで負担するという。
仏当局は招致委がシンガポールのコンサルタント会社、ブラック・タイディングズ(BT)社に支払った約2億3千万円が、開催都市決定の投票権を持つ国際オリンピック委員会(IOC)委員側への贈賄に使われた疑いがあるとして捜査している。竹田氏は招致委理事長として、BT社との契約書にサインしていた。JOCは違法性はないと結論づけている。JOC関係者によると、竹田氏には日仏の合同弁護士チームがついており、翻訳料金なども含むと、JOCの負担額は仏当局の捜査が本格化した18年度が約6千万円、19年度は約1億円、20年度は約4千万円だった。JOCが費用を負担していることについて、関係者は「竹田前会長はJOCの理事会の承認を受けて、招致委理事長の職に就いた。招致委の活動は、各国オリンピック委員会が責任を持つと五輪憲章に定められている」と理由を話す。国などからの補助金ではなく、企業からの協賛金などの自主財源で賄っているという。竹田氏は朝日新聞の取材に対し、弁護士を通じて「私は、JOC会長職にあったことから、規約により招致委員会の理事長となりました。本件は、理事長の職務として行った行為であり、私的な利益や動機は全くありません。山下(泰裕)会長を始めとするJOC理事会のご理解には深く感謝しており、私の身の潔白を証明することでその信頼にこたえたい」とコメントした。(塩谷耕吾)
竹田氏のために、JOCが裁判費用で2億円の使っているというのは、本当にひどいことだと思う。
これは、今回のオリンピックのひどさのとどめだと言えるだろう。