美術家・画家の朝倉摂が亡くなられた、91歳。
私が知っているのは、舞台美術だが、特に蜷川幸雄の芝居での作品がすごかったと思う。
『ロメオとジュリエット』、『にごり江』でのほとんど一つの舞台のような仕掛けの中で、役者たちに濃厚なドラマを演じさせた。
『心中近松物語』では、かなり開かれた空間になったが、この人の舞台の良さは、一種閉じ込められた空間で、役者たちを演技させる場の提供だったと思う。
それが、蜷川幸雄の要求する過激なドラマを成立させていたと思う。
私事で恐縮だが、私の次女が彼女の舞台美術が大好きで、『朝倉摂の舞台美術』という大部の本を買わされたこともあった。
その娘も、昨日やっと大学を卒業して就職した。